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モバイル決済の中国二大大手「WeChat Pay(微信支付)」に2月18日から「スマートリテール(智慧零售)」という新たなショッピング機能が実装されたことがわかった。生鮮ECの「毎日優鮮(MissFresh)」やスーパー大手「永輝超市(Yonghui Superstores)」、ユニクロ、ウォルマートなどが参加する。
この機能はまず深圳市で利用可能になり、その後北京や上海、広州、成都、重慶などへエリアを拡大していく。2019年11月から福建省福州市で小規模にテストが行われていたという。全国展開を行うことで、オンラインとオフラインを融合させたテンセントのスマートリテール戦略が大々的に推し進められることになる。
生鮮EC毎日優鮮の場合、WeChat Pay画面からスマートリテールにアクセスすると、最寄りの配送用倉庫にある商品やセール情報が閲覧でき、商品の購入まで全てWeChat内で完了できる。
これにより小売分野の優良企業にさらなるチャンスが与えられ、スマートリテール提携企業のトラフィック増加につながると情報筋は語る。
永輝は早くも2018年9月に、テンセントと提携してスマートリテール戦略のベンチマークとなる店舗を出店している。毎日優鮮も2019年6月に、2021年までにGMV(流通取引総額)1000億元(約1兆6000億円)を達成するという「智鮮千億計画」をテンセントのスマートリテール事業部門と共同で始動させた。
新機能の実装でWeChat経由のトラフィックが増加するのに加え、永輝や毎日優鮮はテンセントのノウハウを活用できるようになる。ターゲット広告やSNSによる拡散などのマーケティングスキルや、スマート物流、ビッグデータに基づく商品選定などだ。
とはいえ、WeChatから直接ストアにアクセスできるようになったのは今回が初めてではない。2019年10月末に、ソーシャルECプラットフォーム「京喜(Jingxi)」がWeChatトップページの目立つ位置に実装された。リリース後2カ月あまりで、同プラットフォームのリピート率は以前に比べ大幅に向上したという。
その後も、スマートリテールに関連したさまざまなミニプログラムが取り込まれれてきた。今回、WeChat Payアプリからもスマートリテールにアクセスできるようになったことで、WeChatエコシステムのサービス体系にいっそう磨きがかかったと言えるだろう。
※アイキャッチ画像:図虫創意
(翻訳・畠中裕子)
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