2017年ライブ配信者報告:84%が職業病、44.5%が独身
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36kr(36kr.com)によると、メッセージングアプリの陌陌(Momo)が最近<2017年ライブ配信者報告>を発表した。1万人近くのネットユーザーとライブ配信者に対するアンケート調査の結果、ライブ配信者やネットユーザーがライブ配信に対して「見た目」よりも「親しみやすさ」や「才能」を重視していることが分かった。この世界では、「見た目第一」というわけではないようだ。ライブ配信により得られる収入に関して言えば、配信者の学歴や動画制作のために費やした時間が基本的に比例することが分かった。ライブ配信者という職業に対する見方だが年齢の低いユーザーほど、この職業に対する評価が高いようである。
85.8%の投稿者が女性、67.5%が1990年代以降生まれ
アンケートを受けた1万人近くのネットユーザーのうち、95.8%の人がライブ配信を見たことがあると答え、そのうち47.7%の人がほとんど毎日見ているとのことだ。また、見たことがあると答えた人の66.8%はライブ配信者に送金したことがある、と答えた。毎日ライブ配信を見る割合は、男性が49.7%、女性が41%で女性に比べ男性の方がライブ配信を見るのを好むようである。
ネットの普及により、若い世代の職業観も変わってきているようだ。<国家人力資源和社会保障部>(国家の人的資源と社会保障に関する部門)が発表したデータによると、2016年に高校を卒業した若者が目指す新しいタイプの職業の中で、声優、メークアップアーティスト、ゲームテスターを抑えて54%の若者が人気ライブ配信の仕事を選んだ。
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今回の<2017年ライブ配信者報告>を見ても、ライブ配信者やユーザーの年齢がかなり低いことが分かる。配信を見ているユーザーの中で1990年以降に生まれた人は60.4%を占めており、配信者は1990年〜1994年生まれが67.5%、1995年以降は15.5%となっている。配信者の性別の割合は、女性85.8%、男性が15%弱となっている。中国全体では男性は北の地方の出身者が多く、東北三省(黒龍江省、吉林省、遼寧省)の出身者が63.3%を占めている。男性のライブ配信者が多いのは、北京市、上海市、黒龍江省、吉林省及び遼寧省のようである。
月の収入が8,000元を超える配信者のうち、63%が4年制大学以上の学歴
新しいタイプの職業の中で、ライブ配信はこの2年で最も収入の良い仕事のひとつだ。2017年に最も稼いだユーチューバーのダニエル・ミドルトンは、1650万ドル(約1.09億人民元)を稼いだ。陌陌直播(Momo Live:中国のメッセージングアプリ内のライブ配信サイト)で2017年度の全国ライブ配信者上位10人の中で女性1位に輝いた獅大大は、決勝戦の1晩だけで2147万人民元もの稼ぎを叩き出した。これは徳雲社(中国のパフォーマンスグループ)が1年に稼ぐ金額とほぼ同じである。
報告によれば、一般的にライブ配信を本業にしているプロの配信者の収入のほうが、そうではない配信者の収入よりも多いようだ。そうしたプロの配信者のうち、約35%の人が毎月8,000元以上の収入を得ており、そのうち6.6%の人は3万元を超えているのに対し、兼業として行っている人で月8,000元以上の収入に達している人は5%ほどに過ぎない。アンケートに答えた人のうち、毎月8,000元の収入を超えた配信者は天津市、北京市及び浙江省に多く、それぞれの場所で25%、24%、21%を占めている。国家統計局が発表した全国平均年収のデータでは、2016年の全国の都市や農村部での公営の企業で働く人々の平均月収は約5,630元となっている。明らかにライブ配信という職業の収入は、一般的な他の職業の収入よりも多いことが分かる。
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報告書にはまた、ライブ配信者の収入と学歴が比例していることも示している。月収8,000元以上の配信者のうち、63%の人が4年制大学か大学院を出ている。女性より男性の配信者の方が高収入である率が高く、16%の男性配信者の月収は8,000元を超えているようだ。これは主にライブ配信を専門の仕事にしている男性が比較的少なく、競合相手が少ないからだろう。
ライブ配信は、たくさんの投資が必要な仕事でもある。配信コンテンツがきちんと放送され、その内容を豊富にするために、ほとんどの配信者はマイクやサウンドカード、パソコンや衣装を揃えることが必要である。プロの約15%、兼業として行なっている4.5%は配信の準備のために5,000元以上を費やしているようだ。また、プロのうち2%は2万元を超える金額を投入している。
プロの配信者84%が職業病、東北地方出身の配信者はガマン強い
ライブ配信の普及とプロの配信者の増加に伴い、配信者間の競争は日に日に激しくなっている。収入とファンの数を安定させるために、ほとんどの配信者は高いプレッシャーのかかる中で働いている。ユーザーが配信を見る一番の時間帯は晩に集中していて、アンケートに答えた配信者の51%は19:00〜24:00の時間にライブ配信を行ない、プロの配信者がこの時間帯に配信を行なっている割合は73%にも上る。12.6%は0:00〜8:00に動画を配信している。週に5日以上ライブ配信をしているのは、プロで84%近く、兼業の配信者で30%となっている。
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また、配信者はライブ配信の時間以外にも、大量の時間を割いてコンテンツの準備や機材の調整をしなければならない。アンケートに答えた配信者のうち、8.4%の人が準備の時間を含むライブ配信のために1日8時間以上を費やし、29%の配信者は毎日4時間から8時間を費やしていることが分かった。プロの配信者の中で、8時間以上働いている人は21%を超えている。男女別では男性の配信者の方が女性よりも多くの時間を費やしており、8時間以上働いている男性配信者は17.4%に上る。8時間越えのトップ5に入る省は次の通りだ。吉林省(14.8%)、黒龍江省(12.8%)、陝西省(11.1%)、遼寧省(10.6%)それに重慶市(9.9%)です。東北3省の配信者が一番ガマン強いと言えるかもしれない。
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長期間プレッシャーのかかる仕事が理由で、84%の配信者が職業病を患っているとアンケートに答えている。その中でも多いのは、次の3つだ。
1:頸椎の痛み
2:精神的なストレス
3:睡眠不足
男女で職業病の傾向が分かれており、男性のうち25.5%が話し過ぎによる喉の不調や声帯の損傷、24%が長時間の仕事による睡眠不足を挙げている。一方女性は30%が長時間座り、体を動かさないことによる首や腰の不調を訴え、23.5%はストレスが多いのでメンタル面での調整が必要だと答えている。
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69.4%のユーザーが家族や恋人のライブ配信に賛成、上海人は冷ややかな目線
人々は”ライブ配信者”という職業について、ずっと偏見を抱いてきた。<2017年ライブ配信者報告>によると、52.6%の配信者がこの職業について「見かけは楽しそうに見えるけど、実はツライ」、20%は「他の職業に比べて社会的な地位が低い」とみている。
調査によると、ライブ配信を見たことのある人の方が、見たことのない人よりも明らかに配信者に対する評価が高いことが分かった。配信を見たことのあるユーザーの50%は、「配信者は一芸に秀でており、自分の才能で儲けている。仕事はどれもツライものだ」と考えている。配信者に対する評価は、明らかにユーザーの年齢と関係していて、1990年以降生まれの若者の半数以上がこの仕事に対して良い評価をしており、若ければ若いほどこの仕事を好意的にみている。
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ライブ配信をしている若者にとって、家族や恋人の理解と支持は気になる問題だ。報告書によると、配信者のうち44.5%は今のところ恋人がいない、と答えている。恋人がいる配信者の76.1%はライブ配信についての理解と支持を恋人から得ていると答え、62.5%の配信者が家族や親族からも理解や支持を得ていると述べている。プロの配信者はもっと多くの支持を得ており、93.6%の配信者が恋人から、75.5%が家族や親族から理解や支持を得ていると答えている。なお、ユーザーの69.4%は自分の家族や恋人が配信者になっても構わない、と言っている。
ライブ配信という新しい職業を最も快く受け入れているのは広西省、海南省、山西省、陝西省及び広東省の人々で、家族がライブ配信をすることへの理解や支持を表明している人は75%を超えている。一方、北京や上海などの先進都市では、家族がライブ配信という仕事をすることへの抵抗がやや高いようだ。家族がライブ配信をすることに反対する人が多いのは上海市、北京市、江蘇省、天津市及び安徽省の順で、最も多い上海では42.6%の人々が反対だ、と答えている。恋人が配信することに対しては男性の方が女性より反対する傾向が強く、36.7%の男性が否定的な意見を持っている。
ライブ配信者は「顔が第一」というわけではなく、上海の配信者は82%が高学歴
多くのネットユーザーは「顔が第一」で人気配信者が多くのフォロワーを得ているのは、ただ単にルックスが良いからだと考えている。しかし、<2017年ライブ配信者報告>によると、ライブ配信においてユーザーから最も重視されるのは、次の3つの点であることが分かった。
1:ユーモアがある、面白い
2:親しみやすい、コミュニケーション能力がある
3:才能がある
10%に満たないユーザーだけが、「顔が第一、ルックスが良ければそれで良い」と考えているようだ。配信者としてどんな能力を備えているべきか、という質問に対して最も多かった答えは、次の3点だった。
1:コミュニケーション能力に長け、言葉で表現する能力が高いこと
2:個性があること
3:一芸に秀でており、才能があること
人気のある配信者にとって「顔が第一」なのではなく、親しみやすさとコミュニケーション能力がライブ配信にとって必要不可欠であることが分かる。
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2016年の国家統計局が最近公表した世論調査によれば、国内で大学教育を受けている人の割合は約12.4%だ。人口全体の中で、プロの配信者は高学歴である場合が比較的多く大卒以上の配信者は45.6%に上る。こうした高学歴の配信者はこの職業の発展に関して明確なビジョンを持っており、60%のプロの配信者がライブ配信というこの仕事に大きな希望を抱いている。そのうちの28.6%が配信者のトップになりたいと考えており、15.8%が知的財産権(IP)を獲得し自分のスタジオを持つこと、15.7%がプロの歌手や俳優、女優になることを目指している。男性の配信者の方がはっきりしたビジョンを持っており、51.1%がこの職業の長期的な発展に期待をかけている。一方、女性は現状に満足し「シンプルでいい、今のままで十分だ」と考える傾向が強いように思われる。
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地域別で言えば、高学歴の配信者(大学卒以上)の占める割合が多い場所は、上海市(82.2%)、北京市(71.7%)、新疆ウイグル自治区(69.7%)、寧夏省(59.6%)及び遼寧省(59.3%)だ。
ライブ配信者になる動機は男女によって異なる。男性配信者の54%は「新しい人と知り合い、友達になること」を目的とするのに対し、女性はより現実的で35.3%の配信者が「ライブ配信によって収入を得ること」を目的にしているようである。
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