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倉庫の物流オートメーションを手掛ける「炬星科技(Syrius Robotics)」が1月にシリーズA+で1000万ドル(約10億円)以上を調達していたことがわかった。リードインベスターはセコイア・キャピタル中国、コ・インベスターは「真成投資(ZHENCHENG CAPITAL)」、「創茵資本(TRYIN CAPITAL)」と日本の「PKSHA SPARX Algorithm Fund」、さらにエンジェルラウンドで出資した「明勢資本(FutureCap)」、シリーズAで出資した「真格基金(Zhen Fund)」も引き続き参加し、財務アドバイザーは「白澤資本(BAIZE CAPITAL)だった。
Syriusは2018年5月に設立され、物流倉庫向けのソフト・ハードが一体化したAMR(Autonomous Mobile Robot、自律移動ロボット)ソリューションを専門とする。同社は2018年7月にエンジェルラウンドの資金調達を行い、2018年末に試作機を発表、2019年初頭にシリーズAの資金調達を行った。2019年中にロボットの量産化を実現し、深圳にある生産ラインは1週間で40台のロボットが製造可能。2019年11月に海外の企業と契約し、現在三菱商事や日本の物流企業「株式会社関通」に製品を供給している。
同社総経理の羅璇氏によれば、AGV(Automated Guided Vehicle、無人運搬車)は中国の物流倉庫で広く使われているが、中央制御装置による一元的な管理が必要で、ロボットがクラスターごとに作業するのに適していないという。また、AGVの導入には倉庫のレイアウトの大幅な変更が必要となり、コストを慎重に計算する必要がある。それに対し、AMRは環境に応じて移動ルートを自律的に計算し、障害物を回避することができるため、分散型のクラスターという形で作業が可能だ。倉庫レイアウトの大幅な変更も不要で、導入コストはAGVの1/4で済み、8~10カ月でコストを回収できる。SyriusのAMRは10万元(約150万円)/台以下と安く、最小6台から導入でき、在庫の変動により随時数を増やすこともできる。
SyriusのAMRはクラスター管理にも適している。すべての設備が4G通信により管理システムとつながっており、各機が分散型のデータベースを構築し、それぞれの環境に適した動きをすることで、システムのフレキシビリティを向上させている。さらに、蓄積したデータを分析することで、倉庫レイアウトの最適化、物流と商流のデータの融合など、より幅広いサービスを展開することも可能になるだろう。Syriusがすでに外部パートナーとEC向けの小型倉庫の開発について協議中との情報もある。
Syriusが提示したデータによれば、全世界の物流ロボットへのニーズは急増しており、2017年時点で11億ドル(約1200億円)だった市場規模が、2022年には70億ドル(約7500億円)になる見込みだ。そのうちAMRへのニーズは50%以上を占める。しかし、中国国内ではまだコストの観点から導入に踏み切れない企業が多いため、Syriusは優先的に海外市場に取り組んできた。海外市場でノウハウとブランド力を蓄積し、キャッシュフローが安定した後に、中国国内市場で一気に規模を拡大する予定だ。
日本では、Syriusは、三菱商事とともにRaaS(Robot-as-a-Service)を提供しており、よりハードルの低いサブスクリプション形式の利用契約でAMRを導入することが可能となっている。(翻訳:小六)
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