累計調達額約360億円の総合格闘技団体「ONE Championship」、アジア最大のスポーツ関連IPを目指す 

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累計調達額約360億円の総合格闘技団体「ONE Championship」、アジア最大のスポーツ関連IPを目指す 

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インターネット時代の現在、プロスポーツをネット観戦する視聴者が増えている。サッカーやバスケットボールの人気は高いが、インターネット視聴率の世界ランキングでは第1位が米プロレス団体「WWE」、第2位が米プロバスケットリーグ「NBA」、第3位が米プロフットボールリーグ「NFL」、そして第4位がシンガポールに拠点を置く総合格闘技(MMA)団体「ONE Championship」となっている。

ONE Championshipは今年6月15日、7000万ドル(約74億円)を追加資金調達し、累計調達額を3億4600万ドル(約360億円)としたことを発表するとともに、今後も運営する格闘技大会の影響力と競技の質を高めていく姿勢を示した。

今年上半期は新型コロナウイルス感染症の流行により、世界中で多くのスポーツ競技大会が中止されるなど大きな影響が出た。ONE Championshipも運営チームの一部リストラに踏み切った。同団体は組織と事業を再編することで、世界中のファンにこれまで以上に良質なコンテンツを提供しようと努めた。鄭華峰(フア・ファン・テイ)総裁は、投資家が同団体の運営能力を認めてくれたからこそ、厳しい環境下でも資金調達が実現したと振り返る。

ONE Championshipが設立された2011年当時、アジア各国ではサッカーやバスケットボールの主要大会が安定的に運営されていたものの、中国プロバスケットボールリーグ「CBA」やサッカー・スーパーリーグ「CSL(中超)」、日本プロサッカーリーグ「Jリーグ」などの人気は各国内にとどまっていた。一方、世界的に人気を集めるWWEやNBAには最高レベルの選手が揃っているだけでなく、多くのファンを引き付ける運営モデルがあった。

鄭総裁ら幹部は、アジアには中国の伝統武術や韓国のテコンドー、タイのムエタイ、日本の空手など各国独自の格闘技文化があり、格闘技観戦の土壌ができているため、各種格闘技を取り入れた競技大会を打ち出せばONE Championshipをトップクラスのプロスポーツ団体に成長させられると考えた。

「総合格闘技を選んだ第1の理由は、サッカーやバスケットボールとは違い、格闘技は体重で階級を分けることにより公平性が担保されること。第2の理由は、中国にも総合格闘技ファンが多く、スター選手が揃っていることだ」と鄭氏は述べている。

一般的な競技スポーツの試合が1〜2時間かかるのに対し、格闘技の試合は10〜15分、早ければ数十秒で勝負が決まる。競技性の高さと駆け引きの面白さが醍醐味だ。ONE Championshipは従来の格闘技ファンだけでなく、21世紀生まれの若者たちにも試合観戦を通じて格闘技ファンになってもらいたいと願っている。

同社の試合はこれまで「騰訊体育(テンセントスポーツ)」や「五星体育(Great Sports)」「優酷(Youku)」「西瓜視頻(Xigua Video)」などのオンラインプラットフォームのほか、山東電視台や北京電視台など各テレビ局でも放送されている。オンラインプラットフォームでは試合観戦だけでなく、各種情報の取得やファン同士の交流が可能なことに加え、試合のハイライトシーンやリアリティショーなども視聴できる。

現在、ONE Championshipは150以上の国と地域で視聴できる。鄭総裁は、現在のところ夜のゴールデンタイムは主要なスポーツ競技の生中継に視聴者が集中しており、競争は激しいとした上で「ONE Championshipにはアジア初の国際的な格闘技に関するIP(知的財産)コンテンツだという優位性がある。われわれはより多くのインターネットプラットフォームと提携し、アジア各国で開催する試合の冠スポンサーまたは協賛者になってもらい、各国での影響力を向上させていく」と述べた。

ONE Championshipはここ数年でeスポーツ分野にも進出し、2018年には「ONE Esports」を設立。米ゲーミングデバイスメーカー「Razer」および電通と戦略的協力パートナーシップを結んでいる。

また、格闘技とeスポーツを手掛けてきたほか、映画やリアリティショーの制作会社や格闘技ウェア・用品などに関する子会社を設けている。鄭総裁は、これら既存分野を拡充するともに、核となる格闘技マッチの全世界生配信について品質向上を図っていくと述べた。また「現場での試合観戦の体験は何ものにも替え難いが、われわれは格闘技というコンテンツを大衆の娯楽として発展させていきたい。オンラインプラットフォーム上で、ユーザーの興味を引くコンテンツと結びつけながら観戦体験の向上を実現していきたい」と今後の抱負を語った。(翻訳・田村広子)


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