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私たちは今、バイオデータが急成長している時代のまっただ中にいる。遺伝子工学などの基層データ収集技術の進歩により、人類の疾病メカニズムの研究や個別化医療に使われる分子標的薬の研究開発および標的治療薬の設計などに、技術的基礎と膨大なデータがもたらされている。しかしながら、これらの技術がもたらす膨大なデータとそのマイニング、分析、マッチングはライフサイエンス業界のプラットフォームとツールフレームワークにとっては大きな課題となっている。これまでの方法では新たに取得したバイオデータに十分に対応できない上、データの利用もままならない状態だ。
ライフサイエンス分野のこれらの新たな課題を解決するための企業「百図生科(BioMap)」が2020年9月25日に創設された。同社はバイオデータが急増している時代おいて、より優れたバイオマップを業界に提供。それにより、製薬企業が化合物を探し出し、医師がバイオマーカーを見つけ、研究者が各種のバイオデータの背後にある意味を見つけ出すのをサポートする。
バイドゥ(百度)の創業者である李彦宏氏は発起人となって百図生科を立ち上げ、自ら同社の董事長に就任した。また、「百度風投(Baidu Ventures)」のCEOである劉維氏が共同創業者としてCEOに就任。創業メンバーは、清華大学、北京大学、オックスフォード、ケンブリジッジ、香港大学、UCLA、スタンフォードなどでライフサイエンスを専攻した博士や、バイオ製薬とライフサイエンス分野で豊富な投資経験や企業管理経験のある専門知識を持つ十数人だ。
百図生科は、バイオコンピューティング技術を駆使したライフサイエンス関連企業で、高性能なバイオコンピューティングとマルチオミックスデータ技術により、創薬や早期スクリーニング・早期診察など精度の高いライフサイエンスプロダクトの研究を行う。これらの研究により、多くの疾病の予防やコントロール、治療が可能となる。
報道によると、百図生科の現在の業務計画は二段階に分けられている。
第一段階は最先端のAI技術を生かしたバイオコンピューティングプラットフームの構築だ。自社の研究開発と産業投資を両輪に据え、新たな数値軸とバーチカル分析、設計、コンピューティングツール分野のスタートアップや研究機関と提携する。バイオコンピューティングエコシステムを構築し、ライフサイエンス関連企業や研究機関向けに豊富なツール機能とソリューションを提供する。
第二段階には、新たな標的治療薬やプレシジョン・メディシン(精密医療)プロダクトの研究開発に参与し、提携パートナーとの協業を通して、革新的なライフサイエンスプロダクトを提供する。
百図生科はバイオコンピューティングプラットフォームをベースに、コアとなるデータベースデバイスとコンピューティング技術の研究開発に重点を置く。ハイスループットスクリーニング類の臓器チップ、高解像度物質観測設備、新型のマルチオミックスデータ収集分析デバイス、タンパク質シミュレーションとバイオコンピューティング専用チップの研究開発を急ぐ。ライフサイエンス業界に新しい数値軸とコンピューター能力をもたらし、コアとなるコモンプラットフォーム技術に対するセルフコントロールを実現する計画だ。
また、ディープラーニングフレームワーク「飛漿(PaddlePaddle)」と戦略的提携を結び、飛漿が百図生科にAI基層技術と開発ツールを提供するという。百図生科とそのユーザーのニーズに基づき、新しいアルゴリズムとツールを打ち出し、バイオコンピューティング業界のソースプラットフォームを速やかに構築することで、バイオ業界全体に高効率かつ高精度なオープンソースの研究開発ツールをより多く提供していく。
創業者の李彦宏氏は、コンピューティング能力の向上、遺伝子配列コストの低下に伴い、ライフサイエンスには新たな可能性があると考えている。ライフサイエンスに特化した百図生科は、バイドゥが蓄積してきたバイオAIアルゴリズムが専門のライフサイエンス研究開発チームのビジネス化の中ではより大きな価値を実現することになるとの考えを示した。
同社はすでに潤沢な資金支援を獲得し、100億元(約1500億円)超の投入を計画している。今後はライフサイエンスとAI分野での専門家の参加を促したり、実験機関との提携を結んだりすることで、バイオコンピューティングの研究と実施を加速させていく構えだ。(翻訳:lumu)
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