"試食してから購入"、無人試食機「尝尝」で未開拓市場を狙う
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この度、北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)は、あらゆる種類のインテリジェント試食機をサポートしていくことを表明した。無人試食機を会社や学校などに置いて、常態的にユーザーが試食出来る環境を作る。こうして、ビジネス市場においてはセールスとマーケットの調査研究をおこない、消費者市場においては消費政策と商品説明、購入を促す。
従来の多くの無人試食機は、試食した消費者がその商品を購入してくれることを目的としていた。しかし、北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)における無人試食機の最終目標は食品会社の営業活動全域に貢献することだ。
この無人試食機がターゲットとする消費者はただアンケートに答えるだけで、無料で試食することができる。お金を支払うのは食品会社だ。これはまるでひとつの体験型のフォーカスメディアと言える。
このマーケットを我々は2つの側面から理解していきたいと思う。
●食品業界は規模が非常に大きく、また成長も著しく、なおかつ参入者も多い業界である。
ということはこの業界において企業が提供出来る営業活動サービスにも比較的可能性が広がっているということになる。一般的な必需食品と比べて、スナック菓子食品は宣伝広告が重要になるが、これを例にとってみよう。前瞻産業研究院の調査によると、今日における中国のスナック菓子業界の売り上げ収入と複合成長率は20パーセントを超えていて、通年のセールス額は1兆元を超えており、関連企業はすでに何十万社も存在している。この業界の競争は非常に激しいものであり、並み居る企業は目下ブランドの確立に躍起になっている。
営業活動に対する要求も非常に高く、今年のワールドカップに協賛した”蒙牛”を例に見てみると、このワールドカップにおける提供金額は少なくとも20億元を使ったと報道されている。
●従来のオンライン試食とオフラインの対面試食において、そのスタイルと需要供給の関係を検証したが、重要なのはより低いコストで効率良くより多くの顧客に商品に触れてもらうことだ。オンライン試食をみてみると、中国企業の”淘宝”が使用している”美食保健”というシステムにおいては、カテゴリー別のアイテムを全て集約すると8万回以上試食されている。毎回参加して来るユーザーの数には1000万人から1万人以上の流動が見られる。ユーザーはこの種の“おトク”でラッキーな体験は大歓迎なので、ブランド企業もマーケットの需要供給に応えるべく、せっせと広告を打ち出している。
以前我々の記事でも紹介したことのある、Missが推薦する化粧品のサンプルも試食の角度から見ると類似する点がある。化粧品ブランドの営業面全域においてサービスを提供するという点だ。化粧品のサンプル配布と食品の試食提供は同じように「商品に触れ、消費する」という体験が重要になってくる。しかし化粧品は種類が非常に多く商品の入れ替わりも早いため、消費頻度は更に高く、無人テストの可能性の拡がりは更に大きいのかもしれない。

もう一度、北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)の無人試食機のスタイルをみてみよう。創始者の金恒鑠氏は我々のインタビューに下記のように答えた。インタビューの内容は大まかに3つの点に分けて紹介する。
◾︎ハードウェアについて
北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)の試食機は閉鎖式スタイルを採用しており、ユーザーからお金を受け取る構造にはなっていない。このため外部からの商品の損傷を防ぐ機能に長けている。ユーザーは試食機の排出口一箇所から出される食品のみを受け取ることができる。北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)は試食機の構造を下記のように改良した。まず、重量や体積及び形状の異なる全種類の食品、例えば包装形状にバラツキがあるポテトチップスや飲み物など、果ては卵などの壊れやすい食品に至るまですべて対応することが出来るようになる。試食機の収容体積は比較的大きく、単品貯蓄量は1000以上まで可能だ。マーケットの平均水準が500程度なので、貨物を補うためにかかる諸々のコストを削減することができる。
◾︎運営について
北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)は、商品それぞれごとに主な消費者タイプを割り出し、その情報に基づいて営業活動を行なっている。分析情報によって具体的に営業活動場所の選択を行い、確定する。ニールセンのデータに基づくと、スナック菓子を購入する消費者は73.3パーセントが主に18歳から35歳の間の若者層で彼らの多くの活動場所は会社のオフィスや学校であり、そこが北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)の営業活動の目的地となる。試食の商品は主に、食品のブランド企業主から提供され、不定期に繰り返し行われ、豊富な種類の食品を揃えた試食機は多くの顧客を引き寄せる。北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)の主な利潤は、ブランド企業主から支払われるセールス費用で成り立っている。
◾︎オンライン活動とオフライン活動の融合について
北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)は、ユーザーに自社のアプリをダウンロードすることを求めている。そしてユーザーはアプリ内で必要関連事項を記入した後に、はじめて試食のサービスを受けることが出来る。このことでメーカーは顧客のフィードバックを得ることが出来るのだ。金恒鑠氏はこう語る。オンライン活動とオフライン活動が融合したこの試食機のスタイルには2つの大きな可能性が拓けている。一つ目は、消費者に関する必要データを企業にサービスする事ができること。つまり本当に実用的な調査結果を提供できるという可能性だ。二つ目は、このアプリを突破口として、将来的にマネタイズすることができる、あるいはeコマースなども可能になるという点である。

無人試食機のスタイルはとても斬新でユニークだが、問題点や今後の課題はあるのだろうか?例えば自動販売機に直接試食の機能を取り付けることは可能なのだろうか?
この疑問に対して、金恒鑠氏は本社のインタビューに彼の見解を語った。
まず問題点として、ハードウェアの設備上、試食機は試食する消費者の体験ロジックや潜在需要を満足させることは非常に難しいといえる。 なぜなら多くの閉鎖式試食機で採用されているSKUには試食量の制限があり、消費者が納得するだけの試食量を提供出来ない可能性があるためだ。しかし、開放式の試食機では消費者が必要以上にたくさんの試食品を持ち去ってしまう可能性もある。これでは試食を通して集積したデータに基づく消費者の需要を正しく把握することは出来ないだろう。また、試食機と販売機ではまったく異なる商業ロジックの上に存在しているが、販売機の商品ラインナップは試食機より更に早く交代しなくてはならないし、選ばれる商品にも違いがある。販売機で扱われる商品は消費者が主導的に購買するものであり、試食機で扱われる商品はメーカーが売りたいものであるという点だ。
会社の創始者である金恒鑠氏は、かつて中央電視台やお見合いサイトの世紀佳縁、資産管理会社の宜信などに勤めていた経験がある。主にはマーケットセールス、広告、ブランド確立などの仕事に携わってきた。共同創始者である殷立雄氏は京東や楽視、小藍バイクなどに就職しており、主に業界運営とブランド運営を任されていた。連合創始者の任毅氏は中国の大手ライドシェア(相乗り)企業である滴滴出行(ディーディーチューシン)や、中国の大手自動車メーカー吉利(ジーリー)に勤めており、主に企業営業やその他の関連業務に従事していた経験がある。
今のところ、北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)のソフトハードウェア商品の開発とデバッグはすでに完成しており、試運転も行われている段階だ。ただし、いまだ最適化中であることから大規模な宣伝広告はまだ行なわれていない。次の一歩は北京や深センの学校や大企業に進出するべく、準備を進めている。北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)は、すでにAplus Labs社からの100万級のエンジェルラウンド融資を獲得している。Aplus Labs社は北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)の商品やハードウェアのグレードアップに対して協力することになる。北京尝尝科技有限公司 (Taste Technology)も、ちょうど融資をオープンにしたところで、主にはグループ建設やプロジェクト運営及びハードウェアの購買などに使われる予定だ。