<ユニクロ2018年最新財務報告>躍進に貢献続く中国市場、2021年に1000店展開目指す
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驚くことではないが、中国は依然としてユニクロの利潤増大に貢献する最大の市場である。
2018年7月12日、ユニクロの母体であるファーストリテイリンググループは2018年の第57期第3四半期の財務報告を発表した。2018年5月末まで過去9ヶ月の連結業績で、同グループの累計売上収益は前年同期比15.3%増の1兆7,000万円、営業利益は同32.3%増の2,388億円、純利益は23.5%増の1,483億円であった。
第3四半期の3ヶ月では、売上収益は前年同期比12.4%増の7,044億円(約147億7,000万人民元)、純利益は93.1%増の441億円(約26億2,000万人民元)であった。

ユニクロ2018会計年度前3四半期の営業収入
ユニクロ海外売上の7割が中国
日本市場の販売額7.8%増および営業利益29.6%増と比較すると、海外市場の販売額は23.5%増に達するほど増加が著しく、営業利益については65%増である。うち、中華圏(中国大陸・香港・台湾)の営業収入、利潤の増加は、その他海外市場の総額を越えていると同時に、日本市場のそれをも越えている。
中国は長年にわたり、本国市場を除けばユニクロ最大の市場となっている。2017年の財務報告によると、同海外部門の利益の70%は中国市場によるものである。
ユニクロの勝因
強力なサプライチェーンの管理や迅速な商品開発などの要素を除き、精度の高いマーケティングもユニクロが中国市場で成功した重要な要因である。多くのファストファッションブランドと異なり、ユニクロは有名人の拡散力や話題性に依存することなく、消費者と商品・店舗との直接の結びつきを大切にし、インタラクティブな体験を強化している。
商品のマーケティングにおいて、ユニクロは、著名デザイナーや世界的なIP(知的財産コンテンツ)との融合によって商品のトレンド性を高めている。例えば今年4月、ユニクロは米コミック出版大手のマーベルとコラボを展開。同社の人気コミックに登場するスーパーヒーローをフィーチャーしたキャラクターTシャツ「マーベルUT」を売り出し、店舗に行列ができるほどの人気を博した。
中国市場で試みるシステム革新、現地市場への適応
また、中国市場の小売現場では、ここ2年ほど現地で盛り上がりを見せている「ニューリテール(O2Oを主体とした新しい小売業態)」への適応を試みている。具体的には、店舗環境と在庫状況を大きく変えた。例えば今年の旧正月期はオンラインストアでの購入者を対象に、「国内全店舗で最短24時間以内の商品受け取りサービス」を展開。まさにO2O(オンライン・トゥ・オフライン)を推し進めた。これを実現するには在庫管理を強化する必要があったが、ユニクロは中国国内の500店舗にRFIDの電子タグを導入した。RFID技術によって、ユニクロはリアルタイムで店舗の売れ行き状況を管理することができ、さらにタイムリーに商品を配置することができるようになった。ユニクロは日本の小売業者として初めて、各国店舗に電子タグの採用を実現したことになる。
他にも、中国市場における大量注文や地域分布の不均衡による在庫超過などの問題を防ぐために、週計算システムを採用した。同社にとっては中国が、同システムを導入した初めての市場となった。この週計算システムによって、ユニクロは各店舗の需要と在庫状況をいち早く参照でき、各店舗が抱える顧客の異なる需要に基づいて、商品の種類やマーケティング戦略をカスタマイズする。事業拡大スピードと確保しつつ、利益は悪影響を受けないようになっている。
現在、このような改革は販売に刺激を与えている。ユニクロの2017年の財務報告では、同年の「双十一(※)」期間中、実店舗への来店客による売上は、前年の5倍以上であった。
(※双十一:「ふたつの11」。中国では11月11日を「独身の日」とし、大手ECを中心に大々的なバーゲンセールが行われる)
中国市場の安定的な成長により、各ファストファッションブランドは閉店ラッシュというやや暗い時代を迎えているが、ユニクロは依然として新店舗を拡大する予定だ。
2021年までに中国で1000店出店へ
ユニクロは今後、競合のZaraやH&Mを越え、全世界で最大のアパレルチェーンとなることを目指す。そんな中、ファーストリテイリングの代表取締役会長兼CEO柳井正氏が中華圏で実現を目指すに新たな目標は、「2021年には中国国内出店数1000店舗、売上高625億元、営業利益125億元」である。これはユニクロが今後、中国市場で毎年100店舗あまりをオープンさせることを意味している。