日本の模倣で急成長した中国無糖飲料「元気森林」、大手メーカーに対抗できる実力あるか

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無糖飲料ブランド「元気森林(GENKI FOREST)」の飲料水は今年の双11(11月11日、独身の日セール)で、大手EC「天猫(Tmall)」、「京東商城(JD.com)」の二大プラットフォームで販売本数がトップになった。

新しい消費ブームに乗った「炭酸水」

元気森林の成功は、新しい消費ブームと健康補助食品の人気上昇という二つの「偶然」とは切り離せない。こうした中、同社の「無糖+炭酸」というコンセプトが受け入れられた。

無糖、脂肪ゼロ、カロリーゼロで白桃や柑橘類などフルーツフレーバーの元気森林の製品は消費者に人気だが、同社はこれで安泰という訳ではない。多くの企業が追随しているからだ。

例えば、コカ・コーラのような大手ブランドだ。2017年、コカ・コーラは2億2000万ドル(約220億円)でボトリング会社アルカ・コンティネンタルからメキシコのスパークリングウォーター「Topo Chico」を買収。さらに今年3月には、低カロリーの炭酸水のブランドを新しく立ち上げた。

さらに、「HEYTEA(喜茶)」に代表されるミルクティーブランドも参入している。喜茶は最近フルーツフレーバーで糖度が低い製品を発売し、瞬く間に一部の消費者に人気になった。最近では、ショート動画「抖音(Douyin、TikTokの本国版)」、ソーシャルEC「小紅書(RED)」などのプラットフォームでもプロモーションをしている。

炭酸水の生産に技術的な障壁はないためライバル企業も多く、今後も元気森林の販売増加が続くかは未知数だ。

次の「農夫山泉」になれるか

元気森林はブランドのロゴに中国語の漢字ではなく日本語の「気」の文字を使用して「エセ日本」のレッテルを貼られていたが、このたび「気」の漢字を中国語に戻し、中国本土のブランド路線に変更したようだ。

ただし、1996年設立の大手飲料メーカー「農夫山泉(Nongfu Spring)」と比較すると、以下の理由から元気森林の劣勢は明らかだ。

①主力製品に競争力がない。元気森林の一部の主力製品は、農夫山泉のミネラルウォーターシリーズのように需要が安定していない。ブランドの成長にはヒット商品が必要だ。例えば、農夫山泉にはミネラルウォーターのほかにビタミン水など数々のヒット商品がある。

②大手ブランドのOEMに依存した生産体制。初の生産拠点が再来年に完成するが、年間生産量は4億5000万本で短期的に農夫山泉を追い越すのはほぼ不可能だ。

③製品ラインナップが不十分。現在のヒット商品「ミルクティー」と「炭酸水」は技術的障壁がなく、知名度の高いブランドが参入すれば追い越されてしまう。

④販売ルートに強みがない。長年ルート開拓を進めてきた農夫山泉と比べると、元気森林に優位性はみられない。

新しい消費ブームの流れに乗って新しい中国ブランドが台頭したが、息の長い成長ができるかどうかは今後にかかっている。「ヒット商品」と「ブランド」の間でもがく元気森林の今後に期待したい。

作者:螳螂財経(ID:TanglangFin)、図霖
(翻訳・二胡)

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