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宿泊業向けのデータ分析ツールを開発する「携旅(Htrip)」が、シリーズAで2500万ドル(約26億円)を調達した。調達した資金は、データ分析技術の開発と商品のマーケティングに使われる。
同社は2016年5月創業で、これまでプレシリーズAで「九鼎(JD Capital)」から、 シリーズAで国有の建設銀行傘下の「建信金融資産投資(Jianxin Financial Asset Investment)」から出資を受けている。
数年間の宿泊業のデータを蓄積した結果、携旅は主に3種類のツールを提供するまでに成長した。宿泊客の管理ツール「Htrip.CC」、IoT設備の管理ツール「Htrip.TV OS」、宿泊施設の向けビジネスツール「Htrip.info」である。これらは、宿泊施設の業務全般をカバーするものだ。
これらのツールは、中国のホテルチェーントップ100社のうち、42社に導入されており、そのなかには大手の「錦江酒店(WeHotel)」なども含まれ、高級ホテルに関しては80施設以上に上る。客室数は2020年12月時点で153万室で、中国の高級ホテルの30%を占める。年間利用者はビジネス客を中心に延べ1.85億人で、2021年末までに4.75億人に達すると見込まれている。
携旅は各種ツールをまとめたプラットフォームも提供しており、それを使えば、宿泊施設の日常業務のデジタル化を一挙に実現することが可能だ。この「Htrip CTLife Open Platform」と呼ばれるプラットフォームは、携旅が独自に開発した宿泊業向けのアルゴリズムに基づいており、高いコストパフォーマンスを誇る。システムの互換性は高く、中国で販売されているスマートテレビ、スマートスピーカーなどのIoTデバイスのほぼすべてに対応しているため、既存の設備をそのままプラットフォーム上で管理することができる。
また、宿泊客のデータ分析によってサービスの品質向上ができ、データ入力の自動化によって業務の効率が大きく向上する。携旅によると、プラットフォームの導入によって、客室の稼働率は5%増え、宿泊客の要望に対する反応が62%早くなり、運営の効率が8%改善されるという。そのことにより、売上高は7%〜9%上昇する。
さらに、携旅のプラットフォームは、ホテルをハブとして、地域全体の成長を支える可能性も秘めている。同社のスマートテレビOSを使えば、宿泊客のデータから、一人ひとりの好みに適したホテル周辺の情報を客室内のテレビに表示させることができる。このサービスにより、宿泊客は部屋にいながらにして日帰り観光の手配や土産品の予約などをすることができ、ホテルとしてもより多くのサービスを提供することで、顧客満足度と客室単価の向上が期待できる。(翻訳:小六)
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