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中国工業情報化部のICP登録システムの情報によると、人気動画サイト「ビリビリ動画(Bilibili)」の運営法人である「上海幻電信息科技(Shanghai Hode Information Technology)」が1月4日に、「bilibilipay.com」「bilibilipay.cn」などのドメイン名を登録していたことが分かった。そのドメイン名は「「ビリビリペイ」の意味で、「アリペイ」や「ウィチャットペイ」といった決済サービスを連想させる。
しかもビリビリ公式サイトの採用情報では、決済サービスの開発に関わる職種が募集されており、決済サービス開発シニアエンジニアの募集要項には業務内容として「ビリビリ決済プラットフォームのコア技術の研究開発」と明記されている。
ビリビリのこの一連の動きは、決済サービスの分野に攻め込むための準備にほかならない。
近年、中国ではIT企業の金融・決済サービスへの参入が相次いでいる。オンライン旅行会社「Trip.com(携程)」やショート動画「快手(Kuaishou、海外版は『Kwai』)」、TikTok運営会社「バイトダンス(字節跳動)」、共同購入型格安EC「拼多多(Pinduoduo)」などが間接的な方法も含めて決済業務許可証を取得し、決済事業を展開している。現時点で市場シェアの大部分を占めるモバイル決済事業者はアリババ傘下のアリペイ(支付宝)とテンセントの「財付通(テンペイ:ウィチャットペイ、QQペイを含む)」だ。
IT企業各社が競うように独自の決済方法を展開している背景には、第三者プラットフォームに支払うサービス使用料を節約し、さらなるマネタイズと高収益事業を模索したい思惑がある。加えて資産運用や保険など金融サービスを展開することにもつながる。
ビリビリの財務報告によると、同社がアリペイや米ペイパル(Paypal)などオンライン決済プラットフォームに支払った手数料は、2018年に年間売上高の0.26%に当たる1080万元(約1億7300万円)、2019年は同0.39%の2068万元(約3億3200万円)に達している。
2020年第3四半期の財務報告によれば、ゲーム事業の売上高は12億8000万元(約205億5000万円)、付加価値サービス事業が9億8000万元(約157億4000万円)、EC及びその他の事業が4億1300万元(約66億3000万円)で、月間アクティブユーザーは実に1億9700万人に上るという。
ビリビリが独自の決済方法を採用してユーザーの決済データを収集できれば、ユーザーの消費イメージをより正確につかむことができ、ほかの事業部門とのシナジー効果でいっそうトラフィックの強みを発揮できるようになる。
とはいえ、ビリビリはまだ決済業務許可証を取得してはいない。臆測の域を出ないが、もしかすると拼多多やバイトダンスのように第三者決済事業者を買収することで、一気に市場参入を果たすのかもしれない。
(翻訳・畠中裕子)
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