36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録
中国では昨年、住宅街向けの日用品や生鮮食品の共同購入で非常に激しい競争が繰り広げられた。その中でも複数回の資金調達に成功し、業界第2位のシェアを誇るのが「十薈団(NiceTuan)」だ。その十薈団に架空注文の疑いが浮上した。
0.42%の顧客がGMVの65%に貢献、十薈団の商品は誰に売られたのか
筆者が独自で入手した同社広東省東部の昨年12月の帳簿によると、単品の発送と携帯電話のチャージを除く同地域の当月のGMV(流通取引総額)9000万元(約14億4000万円)余りのうち、6000万元(約9億6000万円)分に架空注文の疑いがみられる。
昨年初めにコーヒーチェーン「瑞幸咖啡(luckin coffee)」の売上高の粉飾が明らかになり、ウォール街を揺るがした。虚偽データの割合からすると、十薈団の広東省東部の架空注文65%はluckin coffeeの売上高粉飾40%を上回る。
十薈団広東省東部の昨年12月の帳簿を分析すると、疑わしきデータは主に2点あった。
第一に、ミニプログラムで検索してもどこの住宅地の「団長(SNSを通じて今日のオススメ品、お得品を紹介して購入を勧めるまとめ役)」か特定不能な人物が多数存在し、それらの人物が単価が極めて高い1~4種類の商品を毎月大量に販売し、数万~十数万元(十数万~数百万円)を売り上げている点。第二に、常に購入者はわずか1~4人であることだ。
上記の帳簿によると、ある団長は2000元(約3万2000円)のガソリンカードを1日で5万元(約80万円)近く売り上げている。購入したのは固定客だ。
広東省東部の12月の販売ランキングでトップ100に入る団長たちの情報を調べると、いずれも毎日1~4種類の商品(毎日商品は変わる)を1~4人の顧客に販売しており、その売上高が全体の90%前後を占めている。
12月のデータを分析すると、広東省東部の0.42%足らずの顧客が65%前後のGMVを生んでいることが分かる。これは、441人の顧客のうち、440人分の注文の合計額と1人の注文額が同じということだ。
十薈団人の社員は以前、1~4種類の高額商品は入出庫はあるものの、入金や配送はないと暴露していた。これは、商品の売買が全く行われていないことを意味する。
本文で紹介していない班長の他のデータも合わせると、一連の操作は架空注文の可能性が高い。
住宅地の団体購入は、昨年から急速に成長した。しかし、「1日の注文が1500万件」や「追い抜いて業界第1位に躍り出る」など輝かしい数字の裏側に、不正行為や秘密があったことになる。
十薈団のようなトップ企業が架空注文で資金を循環させ、売上高を粉飾して高く見せ、魅力と説得力のある虚偽の業績を作り上げ、消費者や業界関係者、投資家らをだまそうとしていたとすれば、経営危機に陥ったネット動画配信の「楽視(LeEco)」やシェアサイクルの「ofo」の二の舞になるだけだ。
そういえば、十薈団の投資家リストの中に有名ベンチャーキャピタル「愉悦資本(JOY CAPITAL)」の名前があるが、愉悦資本の創業者が見込んだ企業にはluckin coffeeのほか倒産したシェア自転車サービス「モバイク(Mobike、摩拝単車)」などもある。
作者:WeChat公式アカウント「財経無忌(ID:caijwj)」商言
(翻訳・二胡)
36Kr Japanで提供している記事以外に、スタートアップ企業や中国ビジネスのトレンドに関するニュース、レポート記事、企業データベースなど、有料コンテンツサービス「CONNECTO(コネクト)」を会員限定にお届けします。無料会員向けに公開している内容もあるので、ぜひご登録ください。
原文はこちら
セミナー情報や最新業界レポートを無料でお届け
メールマガジンに登録