越境EC向けERPサービス「積加(Addx.ai)」が5億円調達 加速する世界EC市場を追う

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越境EC向けERPサービス「積加(Addx.ai)」が5億円調達 加速する世界EC市場を追う

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越境EC向けにSaaS型ERPサービスを提供する「積加(Addx.ai)」がプレシリーズAで3000万元(約5億円)の資金調達を行った。リード・インベスターは「雲啓資本(Yunqi Partners)」、コ・インベスターは「拙朴投資(Zhuopu Capital)」および戦略投資家「戦略資源」。調達した資金は、市場システムの構築、製品やサービスの改善、人材拡充などに充てるという。

積加は2017年に創設。越境ECのデジタル化管理に「パケット+サプライチェーン+ブランド構築」のワンストップ式ソリューションを提供している。主な製品にはアマゾンEC向けのERP製品「積加ERP」がある。積加ERPは大手販売店ではその優位性が認識されており、現在は中小販売店への導入に着手している。

越境ECの見通しは明るく、市場規模も大きいため、発展の可能性もかなり高い。世界規模でのB2CのEC取引は2025年には2兆ドル(約217兆円)を超えると見込まれている。昨年一年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、海外ECの市場浸透率が激増した。

データによると、米国ECの市場浸透率は16%に達し、直近10年で過去最高となった。越境EC業界の年平均成長率は、向こう5年間で現在の18%から30%まで成長し、より一層加速すると思われる。また、政策および中国国内のサプライチェーンの強みもあり、中国の越境EC業界は新たなボーナス時期を迎える。積加の創業者兼CEOである張華俊氏は「中国で越境ECビジネス関連の企業は40万社ほどある」と述べ、これは現在のデータにすぎず、中国の越境EC関連企業は今後さらに速いペースで増加するとの見通しを示した。

統計によると、中国の主要ECプラットフォームの店舗数は70万社ほどあり、発展規模は安定しており、年平均成長率は11%ほどに落ち着いている。今回リード・インベスターを務めた雲啓資本によると、現在の越境ECは以前の粗放型からリーン化運営の時代に移りつつあり、越境ECサービス関連企業にとっては新たなチャンスだという。越境ECの政策ボーナスと市場規模による産業化に目をつけた積加は、ニーズの高いSaaSというニッチな市場に参入した。消費者向けERP製品からスタートし、越境ECサービスチェーンから基層のコアバリューを見つけ出したのだ。

張CEOは以前、スマートフォン・タブレット関連製品の開発、販売を行う電子機器メーカー「Anker(アンカー)」でIT部門の責任者を務めていた。AnkerのEPR開発作業の過程で、EC店舗のシーン需要に深い関心を持ち始め、理解を深めていったという。積加の中心メンバーはAnker、アマゾン、テンセント、アリババなどの著名企業で15年以上のプロジェクト開発や製品開発の経験を持つ。

「EC店舗のリーン管理とデジタル化のワンストップ式ソリューションの提案」が、張CEOの考える越境EC向けERP製品の理解だ。健全な収益化モデルを出発点とした際、張氏が最も重視しているのが製品に対するユーザーの理性的な選択であり、SaaSが今後「製品本位」の領域へと発展していくとみている。積加はカスタマイズ製品の開発よりは、より多くの異なる規模のEC販売店にソリューションを提案することで開発コスト削減や大規模な開発につなげ、迅速な更新による製品の強みで競争の優位性を形成したいとしている。

業界をリードする製品の専門性を生かし、積加が現在カバーしている大中規模のユーザー層は確実に増加しており、次の段階は零細・中小企業に広めることである。この過程において積加には次のような強みがある。

一つ目に、EC販売業者は創業当初は黒字を目的としているが、規模が拡大し、競争効果が出始めるにつれ、ECとしてのブランド経営や管理が切実なニーズとなる。機能の統合性を求める大中規模のユーザー層向けには、全プロセスにおいてスマート管理のサポートを行う。料金体制も大型ユーザーの受注価格に基づきランク分けをし、年払い形式を採用している。

二つ目に、大型ユーザーに比べ、中小・零細規模の販売業者はERP製品の選択において業務機能重視の傾向がある。また、サプライチェーンのロジカルサポーティングが必要となることから、中小ユーザー向けの製品では運営モジュールをフロントエンドの情報化チャネルとする一方、サプライチェーン管理を代表とするバックエンドサービスを提供する。

三つ目に、大中規模のユーザー層に長期的サービスを提供した経験から、大型ユーザーの運営モデルの収集と再構築を行っており、中小の販売業者が販売戦略や管理方法を確立する上でのアドバイスを行い、サービス拡大さらにはユーザー層の拡充を実現できるようサポートしている。同社は2017年創業以来3年にわたり、製品に磨きをかけ、大中規模のユーザーの多くのリソースを蓄積し、市場とサービスシステムを構築している。明確なターゲット層、しっかりとした収益化モデルのもと、製品販売は3年連続で3倍以上の成長を遂げ、ユーザーの契約更新率も94%を超えている。

「越境ECの販売業者を心理的・時間的束縛から解放し、海外展開をよりシンプルにしたい」という。現在、積加はアマゾンのEC販売業者に焦点を絞っている。昨年はアマゾンのセキュリティ審査業務を完了した。同社は今後、より多くの越境ECのプラットフォームとシーンへの展開を行い、国際的視野を広げ、製品とサービスの充実化を図り、ECサプライチェーンの管理をグレードアップさせることで、より多くのブランドがリーン運営とスマート化された海外展開をする上でのサポートをしていくとしている。
(翻訳:lumu)

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