電子タバコ大手「RLXテクノロジー」、48%増収。規制強化で先行きは不透明

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6月2日夜、中国電子タバコ「RELX(悦刻)」の親会社「霧芯科技(RLX Technology、以下RLXと略記)」が2021年1〜3月期の決算を発表した。それによると、同社の当期売上高は24.0億元(約410億円)で、2020年10〜12月期の16.2億元(約280億円)から48.2%増えた。売上高が大きく増えたのは代理店や小売りのネットワークの拡大に成功したためだ。一方、純損益は2.67億元(約46億円)の赤字となり、前期の2.367億元(約40億円)からさらに拡大した。

Non-GAAPでの調整後純利益は6.1億元(約100億円)で、2020年10〜12月期の4.2億元(約71億円)から45.6%増えた。粗利益は2020年10〜12月期の6.9億元(約120億円)から11億元(約190億円)に増えた。

2021年3月31日時点の、RLXが保有する現金及び現金等価物、制限付き預金、短期預金、短期投資、長期預金の合計は144.4億元(約2400億円)で、前期末の34.2億元(約580億円)から大きく増えた。これは同社が2021年1月に上場し資金を調達したためだ。

RLXの業績は好調だが、電子タバコ産業の先行きは不透明だ。今年3月下旬、中国の工業情報化部、国家煙草専売局は、電子タバコなどを従来の巻きたばこと同じ枠組で規制することを決め、その後一連の厳しい措置が発表された。

5月26日に国家衛生健康委員会が発表した『中国の喫煙による健康被害レポート2020』では、「電子タバコが安全でないことを示す証拠は十分にある」と結論づけた。6月1日から施行された改訂後の未成年者保護法では、未成年者への電子タバコの販売を禁止し、販売者の責任を問うことや処罰基準を明確化した。

こうした規制について、業界関係者は電子タバコ産業そのものが禁止されることはないと考えている。今後は従来の巻きたばこと同様、税制で調節されるようになるとの見方が大勢を占める。たとえば、投資会社「星瀚資本(Skysaga Capital)」の創業者楊歌氏は、行政の介入は電子タバコ産業の企業再編を早めることになるだけで、本質的な変化をもたらすものではないと指摘する。

会社の将来について、RLXの創業者で董事長兼CEOを務める汪瑩氏は楽観的だ。「2021年初めの業績は順調に成長している。今後も未成年者保護、基礎研究、製品開発、サプライチェーン、販売ネットワークを充実させていきたい。中国の電子タバコ市場の成長によるチャンスを十分つかめると確信する」と話す。そうした見通しのもと、RLXは2021年4月〜6月期の売上高が28.5億元(約480億円)、Non-GAAPでの調整後純利益が7.2億元(約120億円)以上と予想した。

しかし、規制の強化と赤字が拡大したことを懸念して、決算発表後のRLXの株価は5%以上の下落となった。

(翻訳・小六)

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