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現在の中国のSNSでは、お金をプレゼントできる「ラッキーマネー」という機能が定着しており、単なる送金だけでなく、受け取る金額がランダムに決まる、などという「遊び」的要素が盛り込まれているためマーケティングの一環としてラッキーマネーを利用する例も頻繁に見られる。
ラッキーマネーを最初に始めたのはテンセント傘下のWeChatで、2014年春節に合わせてローンチした。お年玉と似た機能とあって、春節中に一気に利用者が増え、WeChatペイもこれを機に普及した。
その後、アリペイ、ショート動画の「抖音(Douyin、海外版は「TikTok」)」と「快手(Kuaishou、海外版は「Kwai」)」、ECの「拼多多(Pinduoduo)」もラッキーマネー機能を追加した。ラッキーマネーはこれらのプラットフォームの成長に重要な役割を果たしてきたと言える。
そして、いわゆるZ世代に人気の高い動画配信プラットフォームのビリビリ動画も、ラッキーマネー機能を追加するようである。このほど、ビリビリ動画がチャット中にラッキーマネーを贈ることができる機能のテストをしていることが確認された。
操作はこうだ。ビリビリ動画には複数のユーザーが同じ動画を視聴しながらチャットできる「一起看(「一緒に見る」の意)」機能があり、そのページのチャットにボタン「ラッキーマネーを贈る」が追加された。ボタンをタップし金額を設定すればチャットルームに送信できる。
ラッキーマネーは視聴中のユーザー全員が受け取ることができ、受け取れる金額はランダムだ。この点はほかのSNSのラッキーマネーと同じである。誰も受け取らなかった場合、ラッキーマネーは24時間後に自動で送信者のアカウントに返還される。
現在ビリビリ動画のラッキーマネーで設定できる数値は6、8、18のみだ。単位は「金幣(「金貨」の意)」となっており、プラットフォーム内の各種イベントで入手できる。ビリビリ動画には配信者への投げ銭として使用できる「コイン」があるが、金幣とコインが同じものであるかどうかは現時点では不明だ。
ラッキーマネーに関しては、横画面視聴時にはチャットウィンドウがないものの、問題なく表示され、贈ることができる。ビリビリ動画の関連企業が今年1月に、「ラッキーマネー付き弾幕の送信方法と送信システム」と題する特許文書を公表していた点からすると、将来的には弾幕と同時に贈れるようになるのだろう。
ビリビリ動画の最新の決算によると、2021年1〜3月期の月間アクティブユーザー数は前年比30%増の2.233億人となり、日間アクティブユーザー数は前年比18%増の6010万人となった。ユーザー登録後12カ月のリテンション率は80%に上昇した。ユーザー数の増加とリテンション率の向上はビリビリ動画のマーケティングとコンテンツ開発が成功していることの証左だが、それに加え、ソーシャルや決済などの新機能でユーザーを惹きつける必要も出てきた。
ビリビリ動画は今年1月に決済サービス用のドメインを取得し、春節中に映画チケット販売サービスを開始した。ソーシャル機能では、映画を視聴中にランダムに異性のユーザーと一緒に見ることのできる機能がローンチされた。そしてラッキーマネーは、ソーシャルと決済両方に関わるもので、ビリビリ動画がこの両者に本腰を入れ始めたと見ることができるだろう。
原作者:「Tech星球(WeChat ID:tech618) 陳橋輝
(翻訳・小六)
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