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3Dバーチャルヒューマン製作ソフトを手がける「FACEGOOD(量子動力計算機科技)」は、3Dフェイシャルアニメーション作成ソフトの公式版「AVATARY」を公開し、ダウンロードを可能にしたと発表した。
AVATARYは表情のモデリング、筋肉動作の読み取り、フェイシャルキャプチャー(表情の動きを追う機能)といったシステムを集結させた3Dソフトで、アニメ、映画、ゲームCG内のキャラクター製作に利用できる。従来はキャラクターのフェイシャルアニメーション製作には約90日間かかっていたが、同社ソフトの利用によりわずか5分にまで短縮された。また、バーチャルアイドルや、バーチャライバー(ライブ配信を行うバーチャルキャラクター)などの新しい領域でも活用できる。AVATARYのフェイシャルキャプチャー機能が追跡した3D点群データは約10万に達しており、業界でも最先端の水準だ。
FACEGOODは2015年に設立。産業用ソフトウェア、計算力学、コンピュータグラフィックス、コンパイラー(人には理解できる複雑な機能、構文を有するプログラミング言語で作成されたプログラムを、コンピューターが理解、実行可能な形に一括変換するソフトウェア)開発の分野で十数年の経験を積んだメンバーが集まる。2016年に3Dフェイシャルアニメーションを作成するソフト開発に着手し、「原力動画(ORIGINAL FORCE)」「ネットイース(網易)」「虎牙(HUYA)」などのアニメ、ゲーム関連大手企業と共同プロジェクトを展開し、技術支援をしてきた。その中で10万以上の人の表情の3Dデータを収集し、AIに学習をさせながら、FACEGOODの中核を担うアルゴリズムを形成していった。
同社の三大機能である表情のモデリング、筋肉動作の読み取り、フェイシャルキャプチャーについて具体的に紹介する。まず、表情のモデリングについては1クリックで数十~数百のブレンドシェイプ(構造は同じだが形状の異なる複数のモデルを用意し、それぞれの形状をブレンドすることで新しい形となって生まれたもの)が生成される。たった数分で高精度の模型が作られるのだ。次に筋肉動作の読み取りだが、シミュレーションマシーンを使用して情報を蓄積し、自然な表情を生み出している。そしてフェイシャルキャプチャーは、その過程が自動化されており、従来の方法より60倍以上も効率を上げている。
FACEGOODの主要製品はAVATARY、フェイシャルキャプチャーを行うヘルメット型の機器、そしてデジタルアセットのプラットフォームだ。
中でも、フェイシャルキャプチャーを行うヘルメット型機器は個人向けの「P0」、カメラ1台を搭載したプロ向けの「P1」、さらに高度な需要に対応するため2台のカメラを搭載した「P2」などがある。AVATARYソフト自体は使用機器が特殊機能を附帯していることなどの条件を設けておらず、ユーザーはどの機器でもフェイシャルキャプチャーが使える。販売価格は国外の類似製品の100分の1まで抑えられているという。
カメラを使ったフェイシャルキャプチャーや表情のモデリングといったソリューションにおいては、「Megvii(曠視科技)」や「センスタイム(商湯科技)」といったAI大手企業が応用できるよう1万点以下の点群データを提供している。米国の同業大手インダストリアル・ライト&マジック(ILM)はハリウッド映画のみに技術提供し、「Faceware」や仏「Dynamixyz」などは価格が高額で、中国では代理店を通じた事業展開方式を取っているため、技術支援の現地化が行えずにいる。
AVATARYはこれらのハードルを飛び越え、小規模な組織からフリーランスのデザイナーまで映画やアニメ産業で使用可能な水準の3Dフェイシャルアニメーションを作成できるようにした。同ソフトは業界にとって「デフォルト(標準装備)」となり得る。
(翻訳:Qiunai)
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