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【特集】コロナから1年、どの中国企業が稼いだか

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中国で新型コロナウイルスの感染拡大が起きて抑えてからおよそ1年。抑え込んだとはいえ完全にリスクがなくなったわけではなく、感染者が確認されたときには感染地域を封じ込めて患者を回復させている。一方中国国外を見れば、日本も含め多くの国で緊急事態は続いている。中国は新型コロナウィルスを抑え込んだとはいえ、旅行業関連では2020年に中国国際航空が144億元、中国東方航空が118億元、中国南方航空が108億元の損失となるなど、経営危機に陥っている企業や業界も少なからずある。

一方でコロナ禍の逆境で大きく成長した企業もある。これを当記事では紹介したい。

まず赤外線関連企業が伸びた。体温計などの設備で活用するからだ。例えば赤外線体温計などの設備を製造する「高徳紅外(GUIDE INFRARED)」は、売上は前年比2倍、利益は354%増となった。また「大立科技(DALI)」も106%増と売上はほぼ倍増し、利益は188%増を記録した。

赤外線の高徳紅外

当初赤外線製品の部品は、アメリカからの輸入に依存していた。しかし中国の赤外線関連製品は軍事関係で活用されやすいということもあり、2008年にはアメリカからの輸入がストップした。高徳紅外は2009年から8年かけて同等の部品の研究開発を行い、赤外線探索機で世界トップクラスの企業に。さらにコロナ禍で必要とされ、駅や空港や大型施設などに設置されるようになり、一躍脚光を浴びる企業となった。

一方手に持って検温する小型検温器を開発する「魚躍醫療」も、2020年の爆発的なニーズを背景に売上は45%増、利益は138%増となった。他にも赤外線関連で強い企業では「艾叡光電」「紅相科技」などがある。また検温器以外では呼吸器の生産企業もまたニーズが高まった。

ネットワークカメラのニーズも高まった。「工業向けインターネット」と呼ばれるIoTを利用した工場の無人化や通行人の顔認証のニーズが高まったためだ。ネットワークカメラを代表する「海康威視(Hikvision、ハイクビジョン)」は売上では10.1%増、利益では7.8%増に、「大華(Dahua)」は売上では1.2%増、利益では22.4%増となった。またカメラで必要なレンズの「鳳凰光学(Phenix)」はカメラニーズから売上では12.8%増、純利益では222.7%増を記録した。

ネットワークカメラの大華

通行人チェックの顔認証や工場内でのカメラのモノ認証などにはAIが活躍する。「曠視科技(Megvii、メグビー)」や「虹軟科技」などのAI企業によるソフトウェアは、特にコロナ対策で人の動きを把握したいニーズで採用された。

音声AIに強い「科大訊飛(iFlyTek)」「雲之声(Unisound)」「思必馳(AISPEECH)」などの企業のAI製品は、オンライン教育での音声認識エンジンや、新型コロナ対策での病院や行政などでの電話での自動応答に採用された。科大訊飛は売上では29.2%、利益では66.5%増となった。ただしAIニーズは高まったものの、感染者を抑え、そこまで人の流れの把握が必要でなくなった後に、AI製品の導入数が減って売り上げが落ち込むという現象が起きたことが報じられている。

改めてコロナ禍で様々な中国のオンラインサービスが利用された。コロナ禍以前に中国で既に様々なクラウドサービスがリリースされている下地があったからこそ、誰もが家こもりを余儀なくされ、様々なオンラインサービスが活用されるようになった。

急増するクラウドサービス利用のニーズを支えたのが、アリババ、テンセント、ファーウェイ、ZTEなどのクラウド運営企業や、レノボや「浪潮(Inspur)」などのサーバーメーカーだ。浪潮は売上が22%増、利益は57.9%増となった。ファーウェイも部門別でみると企業向けサービスについては売上が23%増と好成績に。またエンタープライズ向けセキュリティの「深信服(Sangfor Technologies)」は売上で18.9%増、利益で6.7%増と好調だ。

サーバーの浪潮

まとめると新型コロナ感染拡大で積極的に利用されたクラウド、サーバー、カメラ、無人化ソリューション、AI、赤外線の関連企業が活躍し、業績的にも反映され好調な結果になったわけだ。

作者=山谷剛史

アジアITライター。1976年東京都出身。東京電機大学卒。システムエンジニアを経て、中国やアジアを専門とするITライターとなる。単著に『中国のITは新型コロナウイルスにどのように反撃したのか?』『中国のインターネット史 ワールドワイドウェブからの独立』などがある。

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