2019年のユーザー数4億人に。中国デジタル音楽大手各社が独自レーベル設立

中国のデジタル音楽市場に大手が積極的に参入している。騰訊(テンセント)傘下のテンセント・ミュージック・エンターテインメント(TME)は今年1月、ソニー・ミュージック・エンタテインメントと共同でエレクトロニックダンス音楽に特化した新レーベル「Liquid State」を設立した。また、三大ポータルサイトを運営する網易(NetEase)は10月、傘下のネットイース・クラウド・ミュージックによる新レーベル「網易放刺FEVER」の設立を発表している。

中国のモバイル市場調査機関iiMedia Reasearchは、中国のデジタル音楽市場が抱えるユーザー数について、2016年の1億9700万人から2019年には4億人を突破すると予想している。また、中国のIT関連コンサルSoo Too Researchは、中国の音楽ストリーミングサービスを介した楽曲再生回数が2017年に38%の伸びたと指摘し、2019年には総再生回数3000億回を超えると予想する。

今後、多数の関連企業が資金調達を加速させると同時に、ビジネスモデルも成熟が進むと見られる。網易放刺FEVERのCEO王縝氏は、「デジタル音楽は業界をまたいだコラボレーションがしやすい」と述べている。

デジタル音楽レーベル各社の資金調達状況(Soo Too Research提供)

デジタル音楽業界は、各レーベルとも版権獲得に多額の資金を費やしている現況だが、今後はオリジナルコンテンツの開発が勝敗の分かれ目になるだろう。デジタル音楽は一般的な音楽コンテンツと比較して没入型エクスペリエンスが求められるため、たとえ大手であっても、各ジャンルに強い専門チームとの提携が必須だ。網易などは国内外のインディーズレーベルと提携関係を結んでいる。

ニーズの細分化したデジタル音楽市場は大手にとっても未開の分野だが、やはり大手ならではの強みもある。それは圧倒的な既存ユーザー数だ。ネットイース・クラウド・ミュージックは、すでにユーザー1億人を突破している。また、大手は傘下に音楽以外の多様な娯楽事業を抱えている。それらを動員してシナジーを起こすのも、音楽以外の分野にビジネスを派生させるのも容易だ。一例として、網易放刺FEVERでは音楽とゲームを融合して、DJを主人公としたVRゲームを開発する計画だ。

大手とインディー系に共通する課題もある。有料会員の獲得だ。中国の若年層は、デジタル音楽に関連して1人当たり平均で年間2000元(約3万2000円)を消費すると言われる。大型の音楽フェスならチケット2枚分に相当する額だが、この消費を有料サービスに向けるのは容易ではない。網易放刺FEVERは事業の収益化に2~3年はかかると見ている。

収益モデルが単一化しているデジタル音楽事業だが、網易ではオンライン教育への展開も考えている。音楽教育は専門性が求められるためオンライン化は困難が伴うが、今後、コアユーザーをターゲットにDJ育成プログラムを立ち上げる企画があるという。

デジタル音楽の主要ユーザー層は20~30歳代。いずれにしろ、彼らの心をとらえる戦略が求められるだろう。
(翻訳・愛玉)

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