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ハイエンドスマホ市場をめぐって「Xiaomi(シャオミ、小米)」と「Honor(オナー)」との競争が激しくなってきた。8月初旬、Xiaomiがフラッグシップモデル「MIX4」シリーズを発表した直後、Honorもフラッグシップモデル「 Magic3」シリーズを発表した。
XiaomiとHonorが狙うのは、ファーウェイの凋落によって市場に生まれるスペースだ。ファーウェイは7月末にフラッグシップモデル「P50」シリーズを発表したが、「4G」チップを搭載せざるを得なかったため、販売台数の伸びは期待できそうにない。
XiaomiとHonorは、いずれもコストパフォーマンスの高さで知られるブランドだが、Xiaomiは昨年「MI 10」シリーズを発表して以降、ハイエンドスマホ市場に力を注ぎ続けてきた。一方のHonorは、大きく落とした市場シェアの奪還に集中していたかに見えた。しかし、今回の新製品発表でHonorもハイエンドスマホ市場に意欲を見せていることがはっきりした。
Xiaomiの「MIX」シリーズとHonorの「Magic」シリーズは、その誕生当初からポジショニングや価格設定が似通っていた。そして今回、両社はともに新製品を携え、新たな競争をスタートさせた。
MIX4シリーズはスペック違いの4機種展開。Magic3シリーズからは「Magic3」「Magic3 Pro」「Magic3 Pro+」の3機種がリリースされる。
まずはMIX4シリーズとMagic3シリーズのスペックを比較してみたい。
チップセット
MIX4とMagic3は、いずれも米クアルコムのチップセット「Snapdragon 888 Plus」を搭載している。
Snapdragon 888 Plusは業界で初めてクロック周波数約3GHzのCPUコアを採用。前世代の「Snapdragon 888」よりもシングルコア性能を5.6%向上させた。AIエンジンの性能は最大32TOPS。通信速度6400Mbpsの「LPDDR5」メモリと「UFS3.1」ストレージを搭載している。
ディスプレイ
MIX4は6.67インチのCUP(カメラアンダーパネル)フルスクリーンを採用。フロントカメラをディスプレイの下に埋め込むことで、筐体に対する画面の割合を100%とした。
一方、Magic3のディスプレイは6.76インチで、側面が89度の曲率でカーブしている。筐体に対する画面の割合は94.86%。ディスプレイではMIX4に軍配が上がるかもしれない。
カメラ
MIX4は1億800万画素のメインカメラ、1300万画素の超広角カメラ、5倍の光学ズームを提供する800万画素の望遠カメラのトリプルカメラを搭載している。ディスプレイの下には2000万画素のフロントカメラも内蔵されている。
一方、Magic3は5000万画素のメインカメラ、6400万画素のモノクロカメラ、1300万画素の超広角カメラの構成となっている。
カメラのスペックについては、機種ごとに特徴があるため甲乙付けがたい。
バッテリー
MIX4のバッテリー容量は4500mAh。有線で120W、ワイヤレスで50Wの急速充電に対応しており、有線なら15分、ワイヤレスなら28分でフル充電できる。
一方、Magic3シリーズは全機種が4600mAhの大容量バッテリーを搭載し、有線で66Wの急速充電が可能。Magic3 ProとMagic3 Pro+は、ワイヤレスで50Wの急速充電とリバース充電にも対応している。
バッテリーの充電効率はMIX4のほうが勝っている。しかし、Magic3 ProとMagic3 Pro+に搭載されたリバース充電の実用性も捨てがたい。
価格
MIX4シリーズはエントリーモデルが4999元(約8万5000円)、最上位モデルが6299元(約10万7000円)となっている。
一方、Magic3シリーズはエントリーモデルのMagic3が4599元(約7万8000円)とMIX4シリーズよりも若干抑えられている。とはいえ、Magic3 Proは6799元(約11万5000円)、Magic3 Pro+は7999元(約13万6000円)と比較的高めの設定だ。
MIX4シリーズとMagic3シリーズが、今年下半期のハイエンドスマホ市場を刺激するのは間違いない。XiaomiとHonorのハイエンドスマホ市場をめぐる競争も本格化するだろう。
しかし、両社が市場シェアを奪取するのは簡単なことではない。現在のところ、中国ではハイエンドスマホ市場のシェアの大半を米アップルが占めている。中国メーカーもこぞってハイエンドモデルをリリースしているが、アップルのシェアを脅かすまでには至っていない。
某ECプラットフォームがスマホ618機種を対象に今年の累計販売台数ランキングをまとめているが、5000元(約8万5000円)以上のハイエンドスマホで上位に入ったのは「iPhone12」と「iPhone11」だけだった。一方、中国メーカーは、コストパフォーマンスを売りにした低価格機種ばかりが売れた。
今年は中国スマホ市場の勢力構造が大きく変化する可能性が高い。あと半年もすれば、最終的に勝利をつかむメーカーがはっきりするだろう。
作者:WeChat公式アカウント「連線Insight(ID:lxinsight)」、周暁奇、子夜(編集)
(翻訳・田村広子)
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