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自動車向け半導体チップを手掛ける「芯馳科技(SemiDrive)」はこのほど、シリーズBで約10億元(約170億円)を調達した。調達資金は先端製造プロセスを用いたチップの開発に充てられる。董事長の張強氏は、「先端製造プロセスを用いたチップの開発は、信頼性を確保しながらより優れた性能と省エネを実現し、自動運転の普及を促す」と語った。
今回のリード・インベスターは「国開装備基金(Guokai Equipment Fund)」と「雲暉資本(V Fund)」が務めた。既存株主の「経緯中国(Matrix Partners China)」や車載電池大手の寧徳時代(CATL)も追加出資している。
2018年に設立された芯馳科技は、信頼性と性能が高い自動車向けチップを開発しており、次世代コックピット、セントラルゲートウェイ、自動運転、MCU用の製品を手掛けている。業界では数少ない豊富な量産実績を有し、中国のチップメーカーで初めて、自動車向け機能安全規格「ISO26262」の認証を取得。第一汽車(FAW)や中汽創智(CAIC)など主要自動車関連企業を顧客に持つ。
芯馳科技は2020年5月、次世代コックピット用の「X9」、セントラルゲートウェイ用の「G9」、自動運転用の「V9」を含む「9シリーズ」チップを発表してワンストップのモビリティチップソリューションを確立し、同業他社との差別化を図った。今年4月には全製品のアップグレード版をリリースし、V9をベースとする自動運転のオープンプラットフォーム「UniDrive」を発表している。
今後は次世代コックピット、セントラルゲートウェイ、自動運転、MCUという4つの分野に注力していく構え。2022年にレベル3の自動運転用チップ「V9P/U」、2023年にはレベル4~5のロボタクシー用チップ「V9S」のリリースを計画している。
チップ開発の他に、自動運転の研究開発チームも立ち上げた。チームを率いる陶聖博士は清華大学卒で、昆虫視覚神経システムの生体工学を専門としている。他のコアメンバーはいずれも、自動運転に必要なセンシング、プランニング、システム、シミュレーション、SLAMについて5年以上の業務経験を有している。
張強氏によると、以前は自動車サプライチェーンにおいてチップメーカーの立場は比較的弱く、自動車メーカーが自社の制御装置にどこのチップが使われているか知らないことさえあった。ところが今年は世界的な供給不足もあって、中国の自動車メーカーがチップに注目し始めた。「自動車メーカーがさまざまなシーンにチップを必要とすれば、チップメーカーは製品の開発と改良を加速でき、一方で自動車の生産も円滑になるため、両者の協力によって好循環をつくることができる」という。
同氏はまた、この1年ほどの間に量産プロジェクトが数十件増えたと話す。今年3月には年間100万個に上る自動車向けチップの生産を受注したとしている。
経緯中国パートナーの王華東氏は、「スマート化が自動車業界に百年ぶりの変化をもたらす中、チップは量から質への転換を後押しするデジタルエンジンとなる。先見性のある取り組みを進める芯馳科技は製品開発と顧客対応に信頼感があり、中国の自動車向けチップ産業をリードしている」との見解を示した。
(翻訳・神戸三四郎)
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