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スマートフォン・IoT家電大手「シャオミ(小米科技)」が2021年第2四半期(4~6月)の財務報告書を発表した。今四半期の売上高は前期比14.2%増、前年同期比64%増となる877億9000万元(約1兆5000億円)で、市場予想の850億700万元(約1兆4400億円)を上回った。調整後の純利益は前年同期比87.4%増の63億元(約1100億円)だった。
増収増益を支えているのはスマホ出荷台数の大幅な増加だ。今四半期のスマホ売上高は591億元(約1兆円)で、前年同期から86.8%も増加した。平均販売価格(ASP)は1116.7元(約1万9000円)だった。市場調査会社Canalysによると、今四半期のシャオミの市場シェアは16.7%となり、出荷台数で初めて世界2位に躍り出た。国内シェアも前年同期の10.3%から16.8%に伸ばして3位となった。
今年に入り、シャオミはスマホ事業の弱点であるオフライン販路の強化に本腰を入れている。今年6月末時点で、中国本土にある直営店「小米之家(Mi Store)」は7600店を超えた。外部機関のデータによると、オフライン販路を通じた国内スマホ出荷台数の市場シェアは前四半期の7%から緩やかに上昇し、今四半期は7.8%だった。
市場予測を上回る売上高を実現できたのは、IoT事業とインターネットサービス事業の貢献も大きい。IoTおよびライフスタイル製品の売上高は前年同期比35.9%増の207億元(約3500億円)、インターネットサービスが同19.1%増の70億元(約1200億円)だった。特にインターネットサービス事業の売上高は単独四半期として過去最高を記録した。主に広告収入の増加によるもので、売上高は同46.2%増の45億元(約760億円)だった。一方、ゲームの売上高は同10.7%減少して9億元(約150億円)にとどまった。
海外市場における売上高は全体のほぼ半分を占める436億元(約7400億円)で、前年同期から81.6%増加している。Canalysによると、シャオミは今四半期に世界65の市場でシェア5位以内に入っており、そのうち10の市場では初めてシェア1位を獲得したという。
研究開発費は前年同期比56.5%の31億元(約530億円)を投じており、研究開発の分野にも引き続き力を入れていることが分かる。
投資でも大きな収益を上げている。出資した企業は330社以上にのぼり、簿価総額は前年同期比57.3%増の579億元(約9800億円)となった。税引き後の純利益は11億元(約190億円)だった。
今回の財務報告書の中でシャオミは、自動運転技術を開発する「DeepMotion(深動科技)」を7737万ドル(約85億円)で買収すると発表した。2440万ドル(27億円)は現金で支払い、残りは自社株を対価として交付する。買収後、DeepMotionはシャオミの完全子会社となる。シャオミが自動車事業への参入を表明してから、初めての自動運転関連企業の買収だ。
DeepMotionは先進運転支援システムにおける認識、測位、経路設計、制御に関わるアルゴリズムの開発や、自動運転のトータルソリューションの提供を行っている。シャオミは同社の高い技術力や開発力に注目しており、自動車事業におけるコア技術の強化が期待できるとしている。
(翻訳・畠中裕子)
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