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機能性基礎化粧品ブランドの「Simpcare(溪木源)」がシリーズCで3億元(約50億円)を調達したことがわかった。既存株主の米ヘッジファンド「コーチュー・マネジメント(Coatue Management)」と「H Capital」「高鵠資本(Cygnus Equity)」が出資。資金調達後には評価額が約40億元(約680億円)となるが、これは半年で3倍近い伸びだ。
Simpcareは設立2年で今回が7回目の資金調達となる。中でもコーチュー・マネジメントはシリーズA、Bに続いて今回3回目の出資だ。
Simpcareは2019年8月に設立。敏感肌のケアをメインターゲットにした中国発の基礎化粧品ブランドだ。創業者のJeffrey氏はかつて米「Olay」のブランドディレクターとして中国全土の販売チャネルとECビジネスを担当した経験がある。
Simpcareは昨年初めに発売開始後、初年度の売り上げが1億元(約17億円)を突破している。現在は「山茶花(Camellia)」「桜花」「CBS(Capture Brightening Skin)」の3シリーズを展開している。SKU(商品の最小管理単位)は40を超え、ミドルレンジ~ハイエンドの客層がターゲットだ。客単価は176元(約3000円)前後。ブランドが主力としていたCBD(大麻草の種子や茎などから抽出される化合物)使用製品が法律で規制される前は、客単価が200元(約3400円)近かったという。
中国国家薬品管理監督局(NMPA)は今年5月、大麻の葉から抽出した成分やCBDなどの原料を化粧品に使用することを禁止すると正式に発表した。
投資家からも熱い視線を集めていた産業用大麻だが、今回の規制により冷や水を浴びせられたかたちとなり、SimpcareのCBDシリーズも影響を受けた。
Jeffrey氏は「今年3月、禁止成分に関する公開草案が発表されてから、チームは10日間集中的にあらゆる可能性を討論し、5月に政策が発表されるとすぐ新しい方向にかじを切った」と話す。
9月1日、Simpcareは新たに2つの製品ラインをリリースした。1つは人気だったCBDシリーズに代わるアンチエイジングシリーズ、もう1つは脂性敏感肌のために開発したシリーズで、毛穴の引き締めと肌の水分・油分バランスを整えるものだ。これはSimpcareが2019年の設立当初から開発していた製品だ。この2シリーズがリリースされれば、SimpcareのSKUは60になる。
Simpcareは設立以来ずっとアリババ傘下のECモール「天猫(Tmall)」旗艦店を主な販売チャネルとしていたが、今年に入ってから「抖音(TikTokの中国本国版)」の重要性を認識。30人の抖音専門チームを結成し、1992年生まれで同社のパートナーを務める人物を責任者とした。
これが功を奏し、7月中旬にSimpcareの売り上げは爆発的に伸びて1日あたりの売上額は300万元(約5100万円)を突破。8月のGMV(流通取引総額)は1億元(約17億円)を超える見込みだ。
Jeffrey氏はヒットの理由について、やはり商品そのものの良さだと語った。「リピート率もかなり高い(天猫旗艦店では山茶花シリーズのリピート購入率は40%を超えている)。抖音から火が付いた人気もしばらく続くだろう」
Simpcareと「基因工程薬物国家工程研究中心(国立遺伝子工学薬物研究センター)」が共同でラボを設立することも先日発表された。今年末までにSimpcareが研究開発にかける費用は6000万元(約10億2000万円)近くとなる見通しで、売上高に対する研究開発費用の比率ではすでに一流ブランドに近づいている。
(翻訳・山口幸子)
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