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中国企業の海外進出がヒートアップする中、36Krはブラジル・ビジネスを専門とするコンサルティング会社「IEST」と連携して、ブラジル市場に関心のある投資家向けの情報を配信している。以下、最新情報を紹介する。
政策
10月29日、ブラジル政府は大統領令を公布し、「直接的クレジット組織(SCD)」と「個人間融資組織(SEP)」は国益につながると言明し、外資による100%出資を認めた。また法令で、出資企業の審査・認可を加速させるようブラジル中央銀行を促している。ブラジル中央銀行も、外資系ネット企業の金融プラットフォーム事業への参入により、国内での競争が活発になりイノベーションが期待できるとの声明を発表した。
注目企業の動向
フィンテック・サービスを提供するブラジルのスタートアップ企業StoneCoが、ウォーレン・バフェット所有の投資会社バークシャー・ハサウェイからの出資に続き、アリババからも資金を獲得した。アリババグループのアント・フィナンシャル(螞蟻金服)は、StoneCoの上場後30日以内に1億ドル(約113億円)の株式を購入すると発表した。米金融大手ゴールドマン・サックスによれば、昨年ブラジルのフィンテック企業数は210社となり、2015年初めの54社から急増して中南米ではトップとなった。10年後には750億ドル規模の銀行・保険市場でパイを奪い合う激戦になることも予想される。また10月初めには、中国の大手インターネット企業テンセントもブラジルのフィンテック・スタートアップ企業に関心を示し、クレジットカードのスタートアップ企業Nubankの5%にあたる株式を購入した。
StoneCoはニューヨーク証券取引所で上場を果たしている。公開株数は5800万株で、初値は公開価格の24ドルを33%上回る32ドルになった。これに先立ち、ブラジルの決済企業PagSeguro Digitalも上場を果たしており、約26億ドルを調達した。
有望プロジェクト
一方、米グーグルはサンパウロにあるグーグル・キャンパスで、 AIを活用したバーチャルアシスタント・サービスを開発又は提供するスタートアップ企業の支援を計画している。グーグル・キャンパスでは、新鋭起業家を育成し、グーグルならではの起業計画を提供する。
グーグルはこの計画でエンドユーザー及びB2B向けサービスのスタートアップ企業を優先して支援するが、まだ成長段階にあり、ユーザーや投資家にとっての魅力や、潜在的な収益力があることが支援を受ける企業側に求められる。さらに企業は、専門的な技術者を含む多方面からのチームにより形成され、支援計画の期間中はサンパウロにとどまり、スタートアップ企業の育成に寄与する必要がある。
(翻訳・畠中裕子)
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