150兆円市場を狙え、自動運転技術の「Plus AI」が戦略的提携

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150兆円市場を狙え、自動運転技術の「Plus AI」が戦略的提携

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36Krが入手した情報によれば、自動運転技術に特化したスタートアップ「智加科技(Plus AI)」と中国のトラック配車アプリ最大手の「満幇集団(フル・トラック・アライアンス・グループ)」が戦略的パートナーシップを締結した。満幇集団が自動運転業界の企業と戦略的パートナーシップを結ぶのは初。両社はHDマップのデータ収集、大型自動運転車の事業化と運営サポート、長距離大型トラックのスマート化などの分野で協力する。

智加科技は2016年に創立され、高速物流におけるL4クラス(高度自動運転)の自動運転技術開発を行ってきた。今年5月には、高速道路を利用した倉庫から倉庫へ向かう試験走行に初めて成功した。

智加科技は貨物自動車メーカー「一汽解放汽車(FAW Jiefang Automotive)」と提携し、同社の7代目大型トラック「J7」に技術を提供するとともに、共同で大型トラックのスマート化を進めている。今後2年以内には、1000台規模の無人大型貨物車チームを編成し、事業化する計画だ。

満幇集団は中国最大の貨物マッチングプラットフォームを有しているので、貨物輸送におけるビッグデータ・プラットフォームを智加科技が構築する際に大いに役立つ。データによれば、満幇集団は中国の幹線輸送トラック700万台のうち520万台、物流企業150万社のうち125万社を会員に抱えているという。

智加科技は満幇集団との提携で、モジュール化技術を研究開発するための大量の情報やサポートを得られるだけでなく、様々なデータを蓄積できるはずだ。

「図森未来(Tu Simple)」や「飛歩科技(FABU)」などとともに、智加科技は物流分野における自動運転車の市場を重視。世界一の陸上輸送市場を有する中国の自動運転市場は、3.5トン以下の小型トラックが1400万台で市場規模2兆9000億元(47兆円)、大型トラックは500万台で市場規模6兆1000億元(約100兆円)と言われる。一方、乗用車の台数は1億2000万台と数こそ多いものの、その市場規模は1億2000万元(約20億円)だ。デロイト中国などによる「中国スマート物流発展報告」によれば、2016年のスマート物流の市場規模は2000億元を超え、2025年には1兆元を突破するものと見られている。

巨大市場なのでスタートアップにもチャンスがあるが、同時に、競争の激化も避けられない。自動運転業界には大企業も参入し始めており、米配車サービス大手Uber(ウーバー)もすでに参入済みだ。今年3月、Uberは自動運転トラックの運用を米アリゾナ州の高速道路で開始したことを発表し、その2日後には、米アルファベット傘下のウェイモ(Waymo)も自動運転トラックの試験をアトランタで開始することを宣言した。

飛歩科技の何暁飛CEOは以前、「この分野には多くの企業が進出してくるだろう」と述べていたが、実際、大企業は豊富な資金を武器に次々と参入している。スタートアップは資金の使い方が試されることになりそうだ。
(翻訳・飯塚竜二)

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