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AI搭載ロボットを開発する「思霊機器人(AGILE ROBOTS)」が、シリーズCで2億2000万ドル(約240億円)を調達した。ソフトバンク・ビジョン・ファンド2(SVF2)が出資を主導し、Abu Dhabi Royal Group傘下の「Chimera Investments」、「高瓴創投(GL Ventures)」、セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉資本中国基金)、「線性資本(Linear Capital)」なども出資に参加した。産業界からはスマホ・IoT家電大手の「シャオミ(小米、Xiaomi)」、台湾EMS大手の鴻海(ホンハイ)精密工業の中国子会社「工業富聯(フォックスコン・インダストリアル・インターネット)」(FII)などが投資した。
AGILE ROBOTSはSVF2の対中投資のうち投資額が最大のAIロボット企業で、昨年は世界のAIロボット分野で最高額を調達した。今回の資金調達後、AGILE ROBOTSの評価額は10億ドル(約1100億円)を超え、ユニコーンの仲間入りを果たした。
AGILE ROBOTSは2018年に設立され、独ミュンヘンと北京に本社を構える。創業メンバーはドイツ航空宇宙センター(DLR)のロボット工学・メカトロニクス研究所(RMC)やハルビン工業大学など国内外の著名な研究所の出身だ。
同社はこれまでにロボットのOS「AgileCore.OS」、AI力制御ロボット、五指型ロボットハンド、フレキシブルロボットの操作プラットフォーム(FIP)を開発。コンピュータ、通信機器、家電、自動車とそのサプライチェーン、宝飾品など精密部品の製造のほか、医療、農業、教育、サービスなどの分野で導入されている。
コロナ禍で無人化のニーズが急増し、中国社会の人口ボーナス期が収束に向かうなか、中国のAIロボット産業は2度目の投資ブームを迎えている。
IFR(国際ロボット連盟)は、世界サービスロボット市場が23年に277億ドル(約3兆円)に、また年平均成長率は26%に達すると予測する。中国電子学会は、中国のサービスロボット市場が23年に80億ドル(約8800億円)規模になり、世界市場で30%のシェアを握ると予測する。
一方で、製造業分野でのスマート化は依然として進んでいない。
AGILE ROBOTSの共同創業者である趙悦凱氏は、同社のコア技術には以下の優位性があると説明する。
第一に世界をリードする高精度の力制御および力感知技術を有する。自主開発のAIアルゴリズムと高精度のトルクセンサー技術により、従来のロボットでは成し得なかった精密な作業が可能だ。
次にAgileCore.OSは人がデモンストレーションをすると素早く新しい動作を学習し、システムを調整した上で各ソフトウエア・ハードウエアのデプロイメントを実施する。
AgileCore.OSを搭載したFIPプラットフォームを利用すれば、新技能の追加、生産ラインのレイアウト変更、全自動生産が可能だ。生産ラインの増減や変更にも柔軟に対応でき、多品種、ロット変更、個別生産といった生産ニーズにも応えられる。
AGILE ROBOTSは現在、中国の整形外科・神経外科向け手術用ロボットの大手企業や国内有数の総合病院のほか、世界トップクラスの通信サービスプロバイダーや電子機器メーカーなどと提携している。
(翻訳・二胡)
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