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中国のトイメーカー「52TOYS」はこのほど、「前海母基金(Qianhai FOF)」と「国中資本(Guozhong Venture Capital)」が主導するシリーズCで4億元(約68億円)を調達した。
52TOYSは2015年に設立され、フィギュアのデザインから生産、販売までの全プロセスを手がけている。
創業者の陳威CEOによると、コレクターズフィギュアは人々がよく知るデザイナーズトイにとどまらず、より多彩なスタイル、文化、映画、アニメ、ゲーム、歴史、旅行などを表現する手段であり、グルメでさえ作品にアイデアを与える要素になり得るという。開封するまで何が入っているか分からないブラインドボックスは、フィギュアのカテゴリのほんの一部であり、他にも変形ギミックやプラモデル、可動フィギュアなど多彩な遊び方があるとのことだ。
米コンサル会社フロスト&サリバンのリポートによると、中国のフィギュア市場は2024年までに763億元(約1兆3000億円)規模に成長するという。デザイナーズトイやフィギュアの購買層が拡大を続けるなか、いかにして商品の差別化を図るか、企業の革新力が大いに試されている。
52TOYSでは、キューブ型から変形する「BEASTBOX」「MEGABOX」のほか、「CANDYBOX」や「超活化」などのシリーズを展開している。中でも陝西省歴史博物館に所蔵されている青銅文化財をかたどった「超活化シリーズ青銅小分隊」は同博物館のオンラインショップで長期にわたり販売数トップに立っている。
52TOYSはさまざまな素材や製造技術を駆使して、それぞれに趣向の異なる多彩な製品ラインを開発し、「クリエイテッド・イン・チャイナ(中国創造)」を前面に打ち出したいと考えている。例えば、同社はBEASTBOXシリーズのキャラクターを使った小説やアニメ、漫画、映画などの展開にも力を注いでおり、中国独自の知的財産(IP)を確立すべく奮闘している。
特に知的財産に関しては、定番キャラクターとのコラボおよびオリジナルキャラクターの開発を並行して進め、より多くのユーザーに訴えられるようにしている。
52TOYSでは400人近くいるスタッフのうち、デザイナーが80人以上と全体の5分の1を占めている。創業メンバーは玩具の開発やデザイン、サプライチェーン構築の分野で十年以上の経験をもつベテランだ。
これまで同社は雑貨屋、映画館、書店、コンビニ、テーマパークなど、外部チャネルとの提携をメインにオフライン販路の開拓を進めてきた。販売エリアも中国だけでなく日本や北米、東南アジアなどにも広がっている。今年初めからは直営店の開設も始まった。
公式情報によると、52TOYSの直営店は北京市や上海市、深圳市、杭州市、成都市などの商業施設内に10店舗余りがオープンしており、毎月平均3~5店舗のペースで増加しているという。店舗面積1平方メートル当たりの売上高は1万元(約17万円)を超える。今後1年間に100店舗をオープンさせることを目指しているほか、1000台以上の無人販売機を投入して、全国主要都市の商業圏や博物館、観光地、交通の要所を広くカバーしていきたい考えだ。
今年7月には3日間のフィギュアイベント「北京DREAMFAIR 2021」を開催、フィギュアのさらなる普及を進めると同時に、国内の優秀なデザイナーやアーティストを発掘して、彼らの作品をプロダクトに変えるサポートも行っている。
前海母基金の投資董事・伊博氏は次のように語る。「中国におけるコレクターズフィギュアのポテンシャルは大きい。52TOYSは幅広いカテゴリの製品デザインと開発能力を持つ国内でも数少ないリーディングカンパニーだ。今後も優れた製品を作り出して、中国のフィギュア産業の発展を後押し、愛好家たちにさらなる驚きと喜びを届けてくれることを期待している」
(翻訳・畠中裕子)
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