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国際物流取引プラットフォーム運営会社「運鏈(Easy Carry)」が、シリーズA2で1000万ドル(約13億円)を調達した。リードインベスターは中国の「阿米巴(Shanghai Ameba Capital)」で、米国に本部を構えるベンチャーキャピタルのSIGも共同出資した。
今後、運鏈はユーザー情報のデータベース化技術を向上させ、基幹系情報システムERP+OAシステムを導入する。これにより、ユーザーの社内業務を効率化し、企業間の取引コストが低減し、課題だった貨物追跡も可能となるという。
2015年8月に設立された運鏈は、物流業者マッチングやイエローページ・プラットフォームを開設した後、オンライン取引で決済できる国際物流取引プラットフォームを運営するまでに成長した。現在は海、空、鉄道の運輸を網羅し、事業所は国内8ヶ所のほか、海外にも10数ヶ所がある。創業者の朱正滢氏によれば、今年度の営業収益は5億元(約80億円)を超え、年間のコンテナ取扱数は約30万個と見込まれるとのこと。
国際物流の需要は越境取引の増加に伴い高まってきた。昨年、中国の国際貿易額は約24兆元で、物流が占める割合は15%の約3兆元。一方、世界貿易の物流総額は約12兆元だった。しかし、中国国内の物流プロセスと比べると、国際物流プロセスははるかに複雑で、次のような課題を抱えている。
1)物流チェーンが長く、税関、船主、港、倉庫、検疫など多方面に取引先が存在。
2)多通貨間で決済。
3)取引業者間の情報共有が困難。
国際物流取引の難題に挑む
この2年間、運鏈の努力により1番目と2番目の問題は解決され、ユーザーからの問い合わせ、取引の受付、決済は全てプラットフォームで行えるようになった。現在では1日の平均閲覧数は150万、デイリーアクティブユーザーは17万社以上となっている。
現在、同社は3番目の問題の解決に着手している。朱正滢氏によると、プラットフォーム3.0の構築により、より取引を効率化し、ユーザー体験を改善できるという。この2年間、港や税関など物流業界のインフラ施設も、デジタル化、ペーパーレス化、EC化を推進しており情報共有は革新的な発展期を迎えている。
ブロックチェーン技術を活用したシステムを運用し、更なる発展を目指す
運鏈はすでに次のようなシステムの開発にも着手している。
・来年1月から、ユーザー社内の業務管理と企業間の取引管理が同時に行えるERP+OAシステムを国内市場で運用する。国外ではタイ及びASEAN諸国も重要地域として設定している。
・同時に、物流のすべてのプロセスにおいて、貨物を追跡できるシステムを運用する。
・今月末に、ブロックチェーン技術を活用したシステムを運用し、取引に伴う信用性を確保し、トラブルを解決する。
運鏈の収益は手数料収入、システム技術料、サービス料および金融商品のマージン収入である。朱正滢氏は、プラットフォームの集客力はユーザーのクチコミにかかっており、サービスの品質こそ競争力の核心であると考えている。引き続き、同社はサービスの開発に重点を置き、最適化した3.0システムを来年初めにリリースすることを計画している。
(翻訳:美通)
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