SNSでシェアしてお得に、中小飲食店の集客支援する中国ソーシャルECの強み

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生活関連サービスプラットフォーム「幫幫搶(Bangbangqiang)」が、「移卡(Yeahka)」の主導するシリーズA+で数千万元(数億元)を調達した。同社は今年7月にも「大湾区共同家園(Greater Bay Area Homeland)」の主導で数百万ドル(数億円)を調達したばかりだ。

幫幫搶を運営するのは2018年設立の「尋找母星(Xunzhao Muxing)」。今年初めにテンセントのチャットアプリ微信(WeChat)のミニプログラムでサービスを開始しており、お得なセットメニューを知り合いにシェアし、実店舗で利用するというビジネスモデルを展開している。

このビジネスモデルは飲食店にさらなる集客チャンスを提供するものだ。朝食やファストフード、軽食など低価格で利用頻度の高い飲食店に焦点を当て、10元(約180円)以下の単品メニューを、共同購入型格安EC「拼多多(Pinduoduo)」のようにSNS上でシェアしてもらって利用を促す。中小飲食店のオンラインアクセス数を増やすと共に、お得に食事をしたいというユーザーニーズも満たすことができる。フードデリバリー大手「美団(
Meituan)」や「餓了麼(Ele.me)」などのプラットフォームではユーザーへのおすすめが大手レストランや有名チェーン店に偏る傾向があるため、中小飲食店が露出を増やすにはプロモーション費用が余分にかかってしまう。

現時点で、幫幫搶は位置情報サービス(LBS)に基づくレコメンドシステムを採用しており、プロモーション費用は徴収していない。注文金額の約10%を手数料として飲食店から徴収している。また店舗に足を運んでもらうことで顧客を開拓する方式を採用しており、格安の目玉商品を1、2品用意して集客につなげるよう、飲食店へのサポートを行っている。集客はシェア機能を活用し、ユーザーにSNSで拡散してもらうようにしている。幫幫搶リリース後の3カ月間で、ユーザー1人が1週間に平均1.5人の新規ユーザーを紹介し、7日以内のリピートオーダーが全体の70%を占めたという。飲食店側の集客コストは2元(36円)にまで抑えられている。

幫幫搶のミニプログラム

幫幫搶の創業者・王哲氏によると、今後もコストパフォーマンスに優れたグルメ・エンタメコミュニティーの形成を目指し、受注の獲得効率向上のため飲食店向けSaaSプラットフォームや低価格保障などのサービスを打ち出しているという。すでに運用を始めている飲食店向けSaaSプラットフォームでは、自店のオンラインアクセス数や獲得率などのデータを調べられるほか、直接ユーザーにアプローチできるプライベートトラフィックやクーポンなどを取り入れたカスタマイズ運営も行うことができる。

今年末までに深圳市の主要6エリアをカバーする計画で、1日の注文数は10万件以上、GMV(流通取引総額)は50万元(約890万円)を超えている。今後1年間で全国の大都市25~35カ所に拡大していくとのこと。

今回の出資を主導した移卡の趙維晨総経理は次のように語っている。「地域密着型の生活サービスにアプローチした幫幫搶と同分野での経験豊富な創業チームを高く評価している。今回の投資は、我が社が今年上半期から注力している実店舗とECの連携事業事業をさらに拡大するものであり、生活サービスに関わる多くのシナジー効果が期待できる」

目下、幫幫搶は新たな資金調達を進めている。
(翻訳・畠中裕子)

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