メーカーと消費者を橋渡し、玩具評価サイトの挑戦

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メーカーと消費者を橋渡し、玩具評価サイトの挑戦

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中国の玩具市場規模は2017年に約800億元(約1兆3000億円)に達した。各国と比較して、児童数という点では中国は絶対的優位にある。しかし、玩具の消費額に目を移すと、中国は年間平均24ドル(約2700円)程度と、海外市場には程遠い状況だ。

中国は世界最大の玩具生産・輸出国だ。中国の玩具メーカーは近年、玩具の研究開発やブランド力強化に注力しているが、効果は出ていない。国内玩具メーカートップ5の奥廸玩具(AULDEY)、高楽(GOLDLOK TOYS)、邦宝益智(BanBao)、ラスター・グループ(星輝互動娯楽)、驊威文化(HUAWEI CULTURE)の市場シェアは合計でもわずか5%しかない。海外市場では、レゴやバンダイ、トミー、ハズブロ、マテルといった5大ブランドで25.21%という大きなシェアを獲得しているのとは対照的だ。

また、業績悪化を中国市場で補てんしたいとの狙いから、海外の有名ブランドが次々と中国に進出しているので、中国メーカーは中国国内でのブランド認知を向上させる必要に迫られている。

こうした中、玩具業界はインターネットを通じた広報に活路を見出そうとしている。36Krは先日、玩具に特化した情報を提供するプラットフォーム「頑童星球(COOL KIDS PLANET)」を運営する武漢頑童科技有限公司を取材した。

頑童星球の前身は「1001個玩意児」という玩具評価サイトだ。200以上の玩具ブランドの商品評価を掲載しており、騰訊視頻(テンセント・ビデオ)でチャンネル登録したユーザーは5万4000人、再生回数は億を超える。

同社COOによれば、1001個玩意児の運営を通じて、特に「90後(1990年代生まれ)」の保護者たちが、玩具の質やブランドに高い関心を持っていることがわかった。一方で、そのような情報源が不足しているという声もあり、頑童星球を立ち上げたという。玩具に関する情報を総合的に提供し、消費者と玩具メーカーの間の「溝」を埋めようとしたのだ。

頑童星球のアプリには次のような機能がある。

・文章、動画による新商品情報、関連ニュースの提供、レコメンド
・各種キャンペーンの紹介、価格比較
・商品バーコードかキーワードで検索できる、1万件以上の玩具データ。商品の説明書も取得可能

頑童星球のアプリ画面

同社の売り上げは、主にメーカーからの収入で、基本的に掲載費として5000元を徴収している。他にも宣材写真の撮影、サンプリング、バナー広告、トップページのカルーセル広告などの広告関連サービス、紹介記事の制作、レコメンドやランキングへの掲載などのコンテンツ関連サービスを提供。料金は様々だ。

商品の共同購入によって生じる、ユーザーからの収入もある。同社はすでに20の玩具メーカーと契約し、商品の仕入れ、情報掲載、商品動画撮影などのサービスを提供。一部のメーカーとコラボレーションし、商品パッケージに頑童星球の情報を掲載してもらうほか、玩具系イベントへの出展、ソーシャルメディアやオウンドメディアからの流入誘導などの広報活動も行っている。

競合としては、4399玩具網、中外玩具網、ACtoysなどの一般的な玩具系メディアやオウンドメディアが挙げられるが、これらと比べると、商品購入や価格比較機能などの面で、頑童星球はユーザー体験をより重視した内容になっている。また、玩具系オウンドメディアとはビジネスモデルが異なる。

同社の従業員は約30名で、そのうち20%が研究開発、30%が運営及びマーケティングに従事。今後は、提携メーカーを増やし、掲載商品数を拡大するとともに、サイトとアプリの最適化を進め、ユーザー体験の向上を目指すという。
(翻訳・飯塚竜二)

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