関連グッズを販売する故宮紹介TV番組に賛否両論

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関連グッズを販売する故宮紹介TV番組に賛否両論

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国営テレビ局の北京電視台が故宮博物院と「上新了・故宮」を共同制作した。11月から動画共有サイトの愛奇芸(iQIYI)と北京衛視(BTV)で放映されている。故宮に眠る文化遺産を紹介する番組なのだが、実際には関連グッズをPRする内容となっており、物議を醸している。

同番組は、毎回、芸能人のゲストが故宮関連商品の企画担当者になるという設定。専門家とともに故宮博物院内の所蔵品を取り上げ、その歴史や文化的背景を紹介する。そして、各界のデザイナーやデザイン専攻の学生らが登場し、その回のテーマに沿った新商品を作り上げる。

テレビ番組を元に派生商品を売り出すビジネスモデルは中国でかなり定着しつつある。映画、ゲーム、スピンアウト番組、関連グッズなど、その形式も様々だ。ラッパーのオーディション番組「中国有嘻哈(The Rap of China)」や、ダンスオーディション番組「這就是街舞(Street Dance of China)」などは、アクセサリーやTシャツなどの関連グッズを売り出した。

故宮はもともと関連グッズの宝庫で、2016年の公式データでは、年10億元(約160億円)規模の売り上げを誇る。そのSKUは1万件以上にも上り、化粧品から衣類、食品、ゲーム、メッセンジャーアプリのスタンプまで多様な商品展開で若年層にも人気が高い。「上新了・故宮」から誕生した商品では、伝説の神鳥「仙鶴」をモチーフとしたパジャマがインターネットで話題となったほか、初回放映で紹介されたメイク道具「美什件」は1日で5000セットを売り上げたという。

インターネットで拡散した「仙鶴」パジャマ

しかし、番組の評価は賛否両論だ。「まるでテレビショッピング番組だ」「文化を伝えるなんて大嘘。金儲けさえすればいいのか」といった批判の声も挙がっている。

中国では、文化・芸術の関連グッズ市場は、需要の大きさに対して商品企画力に乏しく、供給が追い付いていない状況だ。知的財産権の概念も薄く、粗悪なコピー商品も氾濫している。そのような中、「上新了・故宮」が番組中でオリジナル商品の制作過程を紹介したことは、業界への理解を深め、クリエイターと消費者を結びつける一つのチャンネルとして機能したとは言える。単なる商業主義で片づける問題ではないだろう。番組が単に歴史物語の語り手としてではなく、新たな創意を付け加えることで若い視聴者の興味を惹きつけ、自国の歴史や文化へのさらなる興味を描きたてたなら、新しい番組形式として成り立つのではないか。

批判の目を持つことも重要だが、海外の人気番組を模倣しただけのバラエティ番組が横行する中、新たな挑戦を「商業主義」と片づけず、長い目で見ていく必要があるだろう。
(翻訳・愛玉)

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