バイドゥ、テンセント…中国テック企業が指摘する「メタバース」普及への課題

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メタバース(インターネット上の仮想空間)が大きく注目されている。フェイスブックは社名を「Meta(メタ)」に変更し、マイクロソフト、テンセント、ネットイース(網易)など中国・海外の大手IT企業は、率先して関連商標の申請を行っている。

テンセントは「QQ元宇宙(QQメタバース)」「王者元宇宙(王者メタバース)」など、アリババは「阿里元宇宙(アリババ・メタバース)」「淘宝元宇宙(タオバオ・メタバース)」などの商標登録を申請している。バイトダンス(字節跳動)が今年買収したVRデバイス大手の「Pico」も「(Pico元宇宙Picoメタバース)」の商標登録を申請している。

先月、バイトダンスのプロダクト・戦略部門のバイスプレジデントを務める朱駿氏は36Krに対して、関連する商標登録は、Picoブランドの名称が「メタバース」に関わる投機に利用されることを防ぐための保護的なものだと述べた。

バイトダンスの幹部がメタバース関連の話題について公式に発言したのはこれが初めてだ。

Picoは2015年4月に設立され、2021年8月にバイトダンスに買収された。同社はVRデバイスの開発、関連コンテンツの制作・応用に注力している。バイトダンスはPicoを買収してから、複数の事業部門の従業員をPicoへ転籍させる準備も進めている。

朱氏は「バイトダンスはVR/AR技術を将来的にオフィス業務、研修、動画、エンタメなどの分野で応用できると期待しているが、これはメタバースの概念とは関係ない。私たちはメタバースのような壮大で抽象的なコンセプトに対して慎重な態度を保っている。社内でもこのような概念的なものを避け、着実で具体的な業務に取り組むよう従業員に要求している」と補足した。

朱氏によるとVR/AR分野で現在最も重要なのは、応用シーンを見つけることと、ソフトウェア、ハードウェアやアルゴリズムの研究開発を強化し、性能、精度、操作性を向上させることだという。

メタバースの概念は、テクノロジー系のベンチャーキャピタルからに火がつき広がったため、大手インターネット企業もメタバースに対してはっきりした態度を表明せざるを得なくなった。

テンセントの幹部は第3四半期の決算発表後のカンファレンスコールで、メタバースについて次のように述べている。

「私たちはVR/ARなどの技術を生かしてユーザーにより完全でシームレスな体験を提供したい。これは現在、注目されているメタバースのコンセプトと通じてくる。テンセントが持つエンジン、AIなど優位性を活かして、メタバース分野でも何かできることを期待している」

ネットイースの丁磊CEOは第3四半期の決算報告会で次のように述べた。

「メタバースは非常に注目されているコンセプトだが、今はまだ誰もメタバースに触れていない。ネットイースはメタバースの技術とルールに関して準備はできている。メタバースの時代が来た時には、いつでもスタートできる能力を持っていると信じている」

バイドゥ(百度)の馬傑副総裁はメタバースに関するワークショップで下記のように述べた。

「メタバースが現実になるには、なめらかで没入感の高い映像、同一空間に多人数が参加できるためのアルゴリズム、VRコンテンツ制作のコスト削減という3つの大きな技術的課題を解決する必要がある」

(翻訳・普洱)

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