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産業用機器メーカーのインダストリ4.0への移行が進んでいる。しかし、産業用のあらゆるモノがネットにつながるIoTの実現に向けて、乗り越えなければならないハードルがいくつかある。
一つ目の課題は、中小製造業の設備・機器が、購入の時期によっては情報ネットワーク機能を備えていないことだ。二つ目は、セキュリティの問題。三つ目は、サービスを提供する側には正確な情報収集・解析の能力が必須で、顧客の業務や機械設備に対する理解力が求められるという点だ。
そこで36Krは「寄雲科技(Neu cloud)」に話を聞いた。
2013年に設立された同社は、ICT(情報通信技術)を活用して生産性の向上やコスト削減を支援する「インダストリアル・インターネット」を手がけている。主力製品となるIoTプラットフォーム「寄雲(NeuSeer)」は、ビッグデータ、クラウドシステム、AIなどの技術を駆使して、設備状態の把握や生産性の向上、運転効率の分析などを行う。
同社の蓄積したデータ量は業界トップレベル。創業者兼CEO時培昕氏によると「中国における製造業の自動化、デジタル化は業種によって様々な段階にある。多くの分野でIoTを実行するための基礎インフラすら備えておらず、未だ初歩的なデータ収集を模索している過程で、応用への道のりは遠い」という。
同社が運営するシステムは、産業機器のデータ収集から解析、管理、応用までをワンストップで提供できる。オムロンやシーメンス、シュナイダーなどと協業し、制御装置「PLC(Programmable Logic Controller)」、分散制御システム(DCS:Distributed Control System)をはじめ、Modbus TCP、OPCなどの国際標準の通信プロトコルに準拠して提供するサービスだ。デバイスをインターネットやアプリケーションに接続する機器、ゲートウェイを充実させて、NeuSeerプラットフォームに設備や機器情報をアップして解析する。こうして顧客の用途に合った正確なデータを提供しているのだ。
また、デジタル資産管理分野では、算出したデータから設備運転を効率化したり、適切なメンテナンス周期を割り出したりして、設備を延命している。
電機大手の彩虹集団は同社のサービスを導入した後、収集データを分析して欠陥品の原因を特定することができるようになり、品質が大幅に改善した。
同社には、米GE、テラデータやオラクル、IBM、ファーウェイ(華為技術)などで経験を培った専門家が結集しており、ビッグデータやクラウド、産業自動化システムなどの運営にあたっている。また、テンセントや医薬品大手の太極集団と戦略的協力関係を結んでおり、ビッグデータとクラウドの分野で高い競争力を維持している。
クライアントリストには、「中国石油天然気集団(CNPC)」、電力大手の「中国大唐集団公司(China Datang Corporation)」、鉄道車両の「中国中車股份有限公司(CRRC)」など大手製造業も名を連ねている。
(翻訳・桜田一美)
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