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企業の定型業務を自動化できて、かつ、そのためのプログラミングが誰にでも簡単にできるようになったら、仕事は大幅に効率化するだろう。
そのようなRPA(ロボットによる業務自動化)を容易に導入できるプラットフォームを開発したのは、「芸賽旗(i-Search)」だ。2011年に設立された当初、同社はUEBA(ユーザやデバイスの振る舞いを分析して不審な行為を特定する技術)を主要事業としていた。
2017年、このUEBA技術をもとに開発されたIS-RPAロボットを発表。財務、税務、保険、カスタマーサービスなどの業務を行っている際に画面操作の過程を録画すると、そのままプログラミングされる仕組みだ。
同社の顧客である海通証券(Haitong Securities)の場合、財務部署には毎日大量の清算書をプリントアウトするルーティンワークがあった。全国290カ所の営業所の記録を取引種類別に呼び出すため、作業は複雑だ。これをRPAに任せると、全工程を終了した後、各担当者にメールで通知されるようになった。今後はOCR(光学文字認識)、NLP(神経言語プログラミング)、AI(人工知能)などの技術を活用してスマート化を進め、操作を簡便化し、利用シーンを拡大していくという。
世界のRPAベンダーには、最近シリーズCで2億1500万ドル(約244億円)を調達して評価額30億ドル(約3400億円)となった「UiPath(ユーアイパス)」や、ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)から3億ドル(約340億円)を調達して評価額26億ドル(約2950億円)となった「オートメーション・エニウェア」、すでにシリーズEまで駒を進めている「WorkFusion」、AIMへ上場済みの「ブループリズム」などがある。
一方の国内市場だが、競合は多くはない。「アリババクラウド(阿里雲)」がRPA製品「碼桟」をリリースしたほか、UiPathが中国進出を表明したが、芸賽旗の唐琦松CEOは「アリババクラウドの製品はEコマース向け。財務や税務への導入に適しているという意味ではUiPathと市場を争うことになるが、国内市場では我々が優勢だろう」と楽観的な見方を示す。
芸賽旗の主要メンバーは、情報セキュリティ企業「安氏互聯網安全系統(iS-One)」出身者で固められている。CEOの唐氏は同社の上海支社総経理を、副総経理の林平氏はCTO兼R&Dセンター総経理を、同じく副総経理の劉継明氏は営業部長を務めた。現段階での収益はライセンス料とサービス料で、取引先は中国平安保険(ピンアン・インシュアランス)、中国電信(チャイナ・テレコム)、海通証券など、すでに100社を超えている。
(翻訳・愛玉)
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