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エレクトロミズム技術を研究する「光羿科技(Ambilight)」がシリーズCで数億ドル(数百億円)調達した。「ウォーバーグ・ピンカス(華平投資)」がリードインベスター、「鼎和高達(Dinghe gaoda)」「高鵠資本(CYGNUS EQUITY)」がコ・インベスター、高鵠資本が単独でアドバイザーを務めた。
エレクトロミズムとは、電圧を加えることで材料の光学特性(反射率、透過率、吸収率など)を安定的かつ可逆的に変化させる現象だ。エレクトロクロミック技術はガラスの透過具合を調節して光と熱をコントロールし、主に自動車用ガラスおよび建築用板ガラスで使用されている。
世界的に採用されているのはエレクトロクロミック技術の第1、2世代だが、光羿科技は第3世代を自社開発した。同社の固体エレクトロクロミック材料は色変化が速く、色調が多彩であるほか、安定性や耐候性が高いという特徴を持つ。同時にフレキシブルフィルム基板を採用しているためカット、曲げ、不規則な形に対応でき、製品の応用範囲がいっそう広がった。第3世代の技術は曇りにくさ、カスタマイズ対応、軽量化、低電圧、曲げの自由度の高さが強みで、化学、材料、電子などの分野をまたいで研究開発が行われ、開発や量産で高い競争力を誇る。
光羿科技は、ロール・ツー・ロール方式でフレキシブルフィルムを使った製品を量産する。
同社のエレクトロクロミックガラスは、中国の自動車ブランドのサンルーフに使用されている。自動車分野での大規模導入は、同社の大型曲面エレクトロクロミックガラスの品質と耐候性が車載製品の水準に達していることを示す。同ガラスを採用している車種は20万元(約360万円)以上の価格帯であることも、同社製品にコスト面で一定の競争力があり、今後の製品普及のハードルは高くないことを示している。
同社によると、現在量産している製品はカーテンウォールにも対応でき、すでに導入しているビルもあるという。
建築分野で現在主流の省エネガラスに比べ、光の調節や断熱効果もあるエレクトロクロミックガラスの性能はさらに高い。エレクトロクロミックガラスの大量生産に伴うコストの低下、室内での省エネ効果などにより、今後巨大市場である建築分野への浸透が進むと見込まれる。光羿科技は現在中国の大手不動産企業などと提携している。
消費者向け製品では、2020年にOPPOと提携して世界で初めて第3世代エレクトロクロミック技術をスマホに採用したほか、今年はマゼンタ色のエレクトロクロミックガラス使用したスマホを量産、発売した。このほか、光羿科技は同技術を使ってスキーゴーグルも自社開発。同社は、エレクトロクロミックガラスはカメラのレンズ、ARやVR用レンズにも応用できると説明する。
今後3年で中国国内自動車ブランドの中価格帯以上の車種を対象にサンルーフ、サイドウィンドウおよび車内外のミラーを提供するほか、オフィスビルや店舗付きマンションなどでの導入事例を増やし、消費者向け製品もさまざまなシーンに対応した商品を開発する予定だ。
(翻訳・二胡)
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