動画アプリ「快手」の運営会社が約1100億円を調達へ、評価額は約2.8兆円

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動画編集・共有アプリ「快手(Kwai)」を運営する「北京快手科技(Beijing Kwai Technology)」が、近いうちに10億ドル(約1100億円)調達する。関係筋によると、既存株主のセコイア・キャピタル(紅杉資本)、バイドゥ、チャイナ・メディア・キャピタル(CMC、華人文化産業投資基金)、DCMベンチャーズ、晨興資本(Morningside Venture Capital)などから数社が参加するとのこと。

米テック系ニュースサイト「The Information」の報道では、同社は11月初旬から調達段階に入っているという。現在、同社の評価額は250億ドル(約2兆8100億円)だ。また、36Krが関係者から得た情報では、今回の調達は創業者兼CEOの宿華氏の意向ではなく、「上場前に再度調達を」という株主らの要求で決まったものだという。

既存株主らが同社を高く評価する理由は、過去1年間の動向を振り返れば理解できる。

「財経」「界面」など複数の中国メディアの報道をまとめると、快手は今年1月末、シリーズEで10億ドルを調達し、評価額は180億ドル(約2兆円)に達した。4月にはさらにテンセントから4億ドル(約450億円)を調達し、評価額は200億ドル(約2兆2500億円)に。しかし、同じころから関連当局の規制が厳しくなり、快手はAndroidスマートフォンで一時利用停止となった。運営するコンテンツや、快手で活躍するインフルエンサーに対して、何らかの規制措置がとられたとみられる。当時、快手の日間アクティブユーザー(DAU)は約1億2000万人までに膨らんでいたが、この利用停止措置後、一定数の落ち込みがあった。

事態が好転したのは7月ごろのことだ。DAUは1億5000万人、ユーザーの1日当たり平均利用時間は60分まで伸びた。ライブ配信を主な収益源とする快手の今年の売上高は200億元(約3300億円)に達する見込み。ライバル「TikTok(抖音)」に並ぶ金額だ。

快手は今年、多くのチャレンジをした。製品ラインナップにしても、海外戦略や事業の多角化にしても、ユーザー増や収益構造の向上に寄与した。業界関係者は、来年末にも快手のDAUは2億人に達し、売上高は400億元(約6500億円)を超えると予想している。
(翻訳・愛玉)

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