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テンセントクラウドは25日、東京で第2回となる年次イベント「Tencent Cloud Day2022」をオンラインで開催した。
テンセントは13年にクラウドサービスを開始し、現在世界27の地域でサービスを行っている。同社のプロダクトは大きくIaaS(Infrastructure as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、SaaS(Software as a Servic)の3つに分かれており、21年6月のガートナー社のレポートによると、IaaS分野ではすでに世界6位の規模になっている。
前年同期比で3桁の成長
コロナ禍により、幅広い業界でデジタル化の取り組みが加速し、さまざまな業界から「メタバース」へ参入する企業が現れた。社会環境が大きく変化する中、テンセントクラウドのグローバルでのクラウドサービス事業の売上実績は大幅に伸び、21年の売上は前年同期比で3桁の成長を達成した。
日本におけるサービス提供事例としては、カラオケアプリの「Pokekara」や、ゲームを中心とした動画配信プラットフォームの「Mildom」をはじめ、オーディオやビデオ業界でのサービス提供がある。また、グローバルコミュニケーションアプリである「SAIL」が、ユーザー向けに「Tencent Real-Time Communication(TRTC)」を活用し世界市場に拡大したプロジェクトなど、さまざまな実績を残した。
日本向けにメタバース事業を支援
自社製品のオープン性と互換性を高めていきながら、日本企業のパートナーと連携してWin-Winの関係を築き上げ、共同でデジタルエコシステムを構築したいとテンセントクラウド国際部門のコマーシャルバイスプレジデント趙剣南氏は語った。
今回は、「バーチャルヒューマン」、「AR・VRクラウドレンダリング」、「AR広告の埋め込み」、「裸眼3D技術」と日本市場向けに4つの新サービスを発表した。バーチャル接客、バーチャル司会者、フェースチェンジ、バーチャルガイドなどに対応する「バーチャルヒューマン」は、ナチュラルな身振りや手振り、聞き取りやすい話し方ができる。さらにオーダーメイドも可能で、ユーザーとの対話、仮想スタジオからのライブ配信や仮想コンサートもできるという。
ARやVRコンテンツを配信するサービス「AR・VRクラウドレンダリング」は、観光、博覧会、建築や不動産などの業界での活用が想定される。講演の中では、中国の古都、南投のVR化した街並みをリアルタイムで歩き回れるという実例が紹介された。QRコードをスキャンして、WeChatによって、ユーザーは、スマートフォン上で時と場所を問わずARバーチャルワールドを体験できる。
5G時代の到来とともに、動画広告が普及しているものの、退屈なものが多く、ユーザーから嫌われることもあるとテンセントは考える。そこで、「AR広告の埋め込み」技術を通じて、動画に直接商品を投影してもユーザーの視聴には影響しないため、広告に対する抵抗感を大幅に減らすことができるという。さらに、3Dモデリング、AIアルゴリズムおよびクラウドサービスを使ってテレビ番組にAR広告を簡単に埋め込むこともできる。
最後に紹介された「裸眼3D技術」については、すべての人が裸眼で3D画像を見ることができ、クラウドレンダリング、AIアルゴリズム、そしてテンセントクラウドの高度なクラウドサービス技術によって、仮想世界で実際のシーンを体験できる。実例として、裸眼3D技術の特殊効果が施されたことで中国深圳の会場に北京にある紫禁城の文化遺産が再現された。観光客は、文化遺産を最大5.3メートル、22倍まで高解像度で拡大して裸眼で3Dデジタル文化遺産が楽しめる。テンセントクラウドジャパンでは、メタバースに参入しようとしている日本の顧客に対し、技術サービスを提供する準備が整っていると趙氏は語り、講演を締めくくった。
(36Kr Japan編集部)
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