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2017年12月末に微信(WeChat)がミニゲームを正式ローンチしてはや1年。中国のミニゲーム市場はすでに60億元(約950億円)に達している。統計プラットフォーム「阿拉丁小遊戯統計平台(Aldwx.com)」と、WeChatミニプログラムランキングを運営する「阿拉丁指数(Aldzs.com))」の共同調査で明らかになった。
WeChat以外にもQQ、支付宝(アリペイ)、今日頭条(Toutiao)、百度(バイドゥ)、小米科技(シャオミ)、OPPOなどがミニゲームプラットフォームを有している。中でもWeChatではすでに7000本のミニゲームがリリースされており、デイリーアクティブユーザー(DAU)は1億人、1人当たりの平均プレイ時間は1日13分だ。
しかし、市場規模783億6000万元(約1兆2400億円)の端末ゲームやブラウザゲーム、同1450億2000万元(約2兆3000億円)のモバイルゲームと比較すれば、60億元のミニゲームはまだ黎明期にある。
ミニゲームの特徴は以下の通り。
女性や中高年に人気
ゲームのプラットフォームの流行は端末ゲームに始まり、ブラウザゲーム、ゲームアプリ、HTML5ゲームと変遷をたどってきたが、2018年のメインストリームは間違いなくWeChatのミニゲームだった。大ヒット作が次々と生まれた結果、さらに多くの開発メーカーが参入することになり、ユーザーは3億人にまで膨れ上がった。
2018年12月の人気ランキングでは、50位圏内にランクインしたタイトルの76%はカジュアルゲームだった。操作が簡単で門戸が広いこと、WeChatというSNSに紐づいていることなどが影響しているものと思われる。
女性のユーザー、40歳以上のユーザーが多いことも特徴だ。ユーザーの8割が1日に3回以上プレイしており、ゲームアプリよりもプレイ頻度が高い。
WeChatエコシステムの成長にも貢献
WeChatのミニゲームにリーチするチャネルは、プルダウンメニュー、他のミニプログラム、ユーザー同士のシェア、公式アカウント、広告、検索など多様だ。WeChat本体が持つソーシャル機能や膨大なアクセス数が強力な後ろ盾となっている。
また、ミニゲームの盛り上がりがWeChatエコシステムの発展に寄与している側面もある。ミニゲームという入り口からミニプログラムに誘導されるなど、ユーザーに新しい習慣が根付くのだ。また、三・四級都市ではゲーム内課金のニーズも高く、それに伴って微信支付(WeChatペイ)の利用率も上がっているという。
広告とゲーム内課金が収益源
スマホメーカーやアプリストア、ソーシャルアプリ、通信キャリア経由で拡散するゲームアプリとは異なり、ミニゲームはWeChatやQQなどのソーシャルメディア、タオバオ(淘宝)などのEC、支付宝(アリペイ)などの決済サービスと、多様なプラットフォーム上で広がる。
ミニゲームの収益源は主に広告とゲーム内課金だ。ライトゲームは収益の90%が広告で、ミドル~ヘビーゲームでは収益に占めるゲーム内課金の比率が大きくなる。後者ではゲームオーバー時に強力な装備の購入を促す広告が表示されるなど、アプローチも巧妙だ。
競合の不在
ゲームアプリはテンセント(騰訊)とネットイース(網易)の独占市場となっているが、ミニゲームでは「覇者」と呼べる存在はまだ現れていない。「豪騰嘉科(Hortor Games)」「愛微游(Aiweiyou)」といった有力メーカー2社のシェアを合わせても約20%という状況だ。
ミニゲームはあまりにシンプルな構成のため、ブラウザゲームやスマホゲームと比較すると、ユーザーが熱中する度合は低い。また、あるタイトルがヒットすると多くの類似ゲームが現われるため、新鮮味もすぐに薄れる。内容や操作方法でさらなる進化が必要だろう。
(翻訳・愛玉)
(以下は記事原文と2018年12月のミニゲームTOP100ランキング)
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