元「EXO」のウー・イーファンがアクセサリーブランドを立ち上げ、「即日販売終了」は本当か?

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元「EXO」のウー・イーファンがアクセサリーブランドを立ち上げ、「即日販売終了」は本当か?

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韓国の男性アイドルグループ「EXO」出身のウー・イーファンが昨年末、ECサイト天猫(Tmall)に、自身のブランドショップ「ACE」をオープンした。第1弾として16商品が発売されると即販売終了となった。しかし、この「販売終了」が完売を意味するのかは不明だ。

ACEはすでに3つの商標登録を済ませている

今回開業したショップは、傘下にアクセサリーブランドを抱える宝飾品製造販売会社「幸運如我珠宝(LUCKYME)」とウー・イーファンが共同で設立した企業が運営している。知名度が高いスターが広報を、専門メーカーが運営を、それぞれ担う戦略だ。

両者を結び付けたのは、シャオミ(小米科技)の共同創業者で副総裁の劉徳氏だ。ウー・イーファンはもともとシャオミ製品のイメージキャラクターを務めていた。幸運如我珠宝は2018年2月に設立されたばかりの新興企業で、シャオミの公式オンラインショップ「小米商城(Mi.com)」でアクセサリーを取り扱っている。同年3月にはシャオミの出資も受けており、同社とのつながりは深い。

開店後1日で「販売終了」?

開業前から微博(ウェイボ)で話題となっていたACEは、先月28日にオープン。開店からわずか20分間でピアス69点を売り上げた。価格帯は580~780元(約9000~1万2000円)で、同店では最も廉価な商品だ。最も高価な商品は1万9800元(約31万円)のペンダントだったが、こちらは1点も売れないまま、ステータスが「品切れ」に切り替わった。そして翌日には全商品が「販売終了」に。初の売り出しは、商品を量産する前に消費者の反応を探るためのものだったと推測される。

あまりに短時間で販売終了になったことで、ネット上ですぐに商品を転売する人々が現われた。ACEの公式アカウントは急きょ「第2弾の発売も準備中」と告知を掲載している。

こうした販売手法はまるで、販売数量よりも広報目的で出店されるポップアップストアのようだ。韓流アイドル出身のスターが広告塔ともなれば、拡散効果は十分だろう。そして、そのための主戦場はEC本体ではなく、微博など外部のプラットフォームだった。

取扱商品の少なさは商品の希少性を高める効果もあるが、一部のユーザーが商品を買い占めて、ファンに高値で転売する行為が横行するリスクもある。また、開業1日で全商品を販売停止にした措置は、話題としてはインパクトがあるかもしれないが、購入者がレビューを掲載する場を奪ったことも意味する。うがった見方をすれば、商品のイメージを下げるレビュー投稿を阻止するためだったのかもしれない。

高い価格

ACEの価格設定も論争の的になりそうだ。ACEで扱うアクセサリーは純度92.5%のシルバーを使用している。原価は1グラム5元(約80円)といったところで、純銀に近い99.9%のシルバーよりも低コストのはずだ。他にも、ダイヤモンドの代わりにキュービックジルコニアを使用するなど、高価な原料は使用していない。

ACEのブランドとしての位置付けは、米シルバーアクセサリーブランド「クロムハーツ」を目指しているといったところか。ちなみに、ブランドを運営する幸運如我珠宝は「ショーメ」や「ティファニー」の加工も受託している。

「ファンからの荒稼ぎ」で終わらないために

開業1日で販売終了したというが、実際には品切れではなく、イメージ戦略の一環だったのではないか。

ACEの商品はすでにフリマアプリ「閑魚(XianYu)」に出品されている。いずれも定価にいくらかを上乗せした価格で出品されているが、爆発的な売れ行きとは言い難い。

「ファンからの荒稼ぎでは」との声には、ACEは「それならば、わざわざアクセサリーブランドを立ち上げる必要はない。Tシャツやキャップ程度でも十分だろう」と反論し、あくまでトレンド感度の高い層に向けてニッチなブランドを展開する旨を示した。

もしその方針を貫くならば、まずはブランド理念に賛同する人を集めなければならない。前出のクロムハーツもACEと同様、純度92.5%のシルバーを用いたアクセサリーを取扱うが、高価格ブランドとして熱烈なファンの支持を得ている。米国のHIPHOP系ファッションブランド「Supreme(シュプリーム)」も同様で、「ルイ・ヴィトン」や「ナイキ」、「VANS」などのブランドとクロスオーバー商品を企画して多様な層を取り込んでいる。

ACEの課題は、ウー・イーファン個人の人気を越えて、ブランドそのものの賛同者を増やすことだ。ファンをターゲットにするなら、顧客は若い女性に限られてしまう。それは内輪の盛り上がりに過ぎない。今後はストリートファッションの愛好者を巻き込んでいくのか、それともファン以外の「部外者」を排斥するのか。有名人によるショップ運営ではよくある事例と言えよう。
(翻訳・愛玉)

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