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アップルのティム・クックCEOが8日(現地時間)、米ニュース専門局CNBCに対して、製品の販売方針、中国市場の鈍化、アップル社の未来などについて語った。
廉価モデルには手出ししない
最近の販売不振や株価暴落を受けて、クックCEOの手腕を問う声もあがる中、同氏は「短期的にヒステリックな批判を浴びるのは致しかたない。長期的に見れば、わが社のエコシステムは十分に健全だ」と反論した。続けて、このような批判は2001年から2013年まで何度も受けたとし、同社の設備やエコシステムが過小評価されていると示唆した。
2018年第4四半期(7~9月)の成長率に関しても、「iPhone事業を除いても19%増を達成した。大企業が19%成長したのだ」とし、同社の収益がiPhone頼みではないと強調した。また、Apple Watch、AirPodsなどウェアラブル端末の売上高を例にとり、iPod全盛期の50%以上だとした。
また、App Store、iTunes、Apple Pay、Apple Music、iCloudを含むサービス部門については、従来通り「2020年までに売上高倍増」というビジョンを掲げた。2010年の約70億ドル(約7600億円)から2018年の約410億ドル(約4兆4500億円)まで売上高は順調に伸びているが、あと2年でこれを倍増させる計画だ。
また、昨年後半に中国市場の勢いが減速した点については、「一時的なもの」と楽観的な見通しを示した。
さらに、今後は廉価モデルの商品は販売しない方針を示した。iPhone XRのようなミドルレンジの商品でインド市場を開拓していくという。
社全体については、「長期的に見て健全な状態で、製品ラインやエコシステムもこれまでにないほど充実している」と、自社を高く評価した。
クアルコムとの和解協議に進展なし
アップルはiPhone用モデムチップのサプライヤー、クアルコムと特許料などを巡って2017年から裁判を続けている。これに関してクックCEOは、「昨年第3四半期以来、和解に向けた協議は膠着したままだ」と説明し、互いの主張が一向に相容れないとした。
ヘルスケア事業を拡充
同社が2014年から注目してきた分野に「ヘルスケア」がある。Apple WatchやiPhoneなど自社製デバイスのみならず、Garmin Connect、NIKE+RUN CLUB、MyFitnessPal、Stravaなどの他社アプリ、果てはゲームアプリのポケモンGOからもデータを集めて、運動量や体温、血圧、栄養状態などの情報を一元的に管理する。
Apple Watchの成功を受けて、近年は同領域に多くのリソースを投入してきたアップル。数十人の医師で編成される専門部署も設けた。
年初から8日時点までで、アップルの株価はすでに4.4%下落。2019年第1四半期の売上高予測を下方修正したことが、暴落を招く主因となった。
(翻訳・愛玉)
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