シャオミも出資のスマート窓拭きロボット、家庭用ニーズ掘り起こしヒット狙う

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家庭用スマート掃除ロボットを開発する「北京赫特智慧科技(Beijing Hutt Wisdom Technology)」がシリーズAで数千万元(数億円)を調達した。シャオミ(小米集団)と順為資本(Shunwei Capital)が出資を主導した。資金はマーケットおよび技術営業チームの拡充、生産能力の強化、研究開発への投資に充てられる。

赫特智慧は2018年に北京で設立された。創業者の宋宏超氏は連続起業家で、過去にはサービスロボットメーカー「福瑪特(FMART)」の立ち上げにも加わった。赫特智慧の主力商品は窓拭きロボットで、薄型・乾湿両用・スピーディーがセールスポイントだ。

近年、掃除ロボットは市場が注目する急成長分野となっている。例えば床洗浄機の市場規模は2019年に1億元(約19億円)足らずだったのが、2020年には12億9000万元(約243億円)にまで成長した。市場での認知度を高める取り組みのもと、掃除ロボットはますます消費者に受け入れられるようになってきた。これにより特定のニーズに特化した市場にチャンスが生まれている。「今やさまざまなロボット掃除機が発売され超人気商品となっている。次にヒットするのは窓拭きロボットかもしれないと私たちは考えた」と宋氏は語る。

高層階の窓ガラス清掃を巡る課題は以前から存在していた。作業が難しく危険が伴うため、清掃業者に委託しても高額になる。長期にわたり、窓拭きロボットは使用感や作業効率などに難があり普及してこなかった。データによると、定期的に清掃されていない住宅の窓は8割に上るが、2021年時点で国内市場での窓拭きロボットの浸透率はわずか0.5%にとどまっている。

これを受け、赫特智慧はインバーター技術を採用した窓拭きロボットを開発した。さまざまな使用条件を想定したこのロボットは、アルゴリズムでガラス表面の汚れを判断して吸引力を調整し、高いクリーニング効果を発揮する。湿度が高く風の強い天候でも、滑ったり落下したりすることはない。

赫特智慧の商品イメージ

ロボット本体は一般家庭で使用しやすい薄型設計で、最も薄いモデルは厚みが7.5センチメートルのため、防犯用面格子を設置した多くの窓でも使用できる。

2021年の売上高は数億元(約数十億円)に上り、内訳は消費者向け市場が8割、事業者向け市場が2割となっている。また海外市場での売上高が全体の65%を占めるという。販売チャネルに関しては、京東集団(JDドットコム)や天猫(Tmall)、シャオミなど中国の大手ECサイトでの販売を行っている。特にシャオミ傘下のECサイト「小米有品(Youpin)」との提携後は、オンライン販路のうち95%近くを同サイトが占めるようになった。今回、シャオミから出資を受けたことについて、宋氏は「弊社が多くのユーザーから高く評価され、窓ガラス清掃に対する消費者のニーズを満たせたことが大きな要因だろう」と語っている。

販売台数やユーザーの評価などを総合すると、この3年間で赫特智慧の知名度は窓拭きロボット市場の上位3位に入るまでになった。宋氏は「多くのECサイトが窓拭きロボットの可能性に期待しており、競争力のあるブランドを打ち出してこの市場を勝ち取りたいと考えている」と述べ、引き続き販売チャネルとの提携を強化していく姿勢を示した。
(翻訳・畠中裕子)

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