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生活関連サービス大手「美団(Meituan)」のEC「美団電商」がブランドごとの直営店の運営を開始した。商品は美団電商が発送する。美団の通販アプリ「美団好貨」にはすでに食品、飲料、家庭用品などを扱う直営専門店が数多く出店しており、いずれも運営は「北京三快智慧餐飲管理有限公司」が担当する。企業情報検索サイト「天眼査(Tianyancha)」によると、同社は美団の子会社ということだ。
美団の直営モデルには2種類ある。ひとつは美団好貨内の「公式旗艦店」での販売。もうひとつは今回新たに登場した方式で、例えば「東鵬特飲美団自営旗艦店(東鵬飲料の商品『東鵬特飲』の美団直営旗艦店)」のように商品のブランドごとに細分化して販売するものだ。「京東商城(JD.com)」の直営モデルを取り入れたもので、ブランドオーナーに代金を直接支払って商品を仕入れ、直接消費者に商品を提供する。アリババグループ傘下のECモール「天猫(Tmall)」も先日、同様の「猫享」を発表している。
EC業界アナリストの李晨氏は36Kr傘下メディアのTech星球に対し「直営店を運営できるのは美団のサプライチェーンが末端も上手くいっているおかげだ。直営モデルの最大の利点は配送効率が高くなり、ユーザーにとって購買体験の向上になることだ。美団の配送はラストワンマイルの要求までクリアしている。直営モデルなら粗利も増やすことができる」と語った。
また、美団好貨は「全球購(グローバル購入)」カテゴリを追加し、越境ECにも対応するようになった。全球購の商品の販売はサイトに出店しているEC業者が担当する。商品価格には関税が含まれており、発送方法は多くの越境ECプラットフォームと同じで、生産国から出荷されて中国国内の保税区に入り、消費者に送り届けられる。
多方面にわたる展開から、美団電商が密かに新たな段階に入っていたことがうかがえる。
2021年2月、美団の新たなEC事業「団好貨」が正式に運用を開始した。産地直送と共同購入が一緒になったもので、「省+好(安くていいもの)」を前面に打ち出している。リリースから1年で団好貨は美団好貨に変わったが、美団はこれについて、美団好貨は美団の中でも選び抜かれた通販で、今後も美団が長年にわたって蓄積してきた運営力と経営資源を拠り所に、より安心できる購買体験を消費者に届け続けるとした。
1年が経過し、美団好貨は共同購入というモデルにとどまらず、アリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝)」や京東商城と同様に、生鮮食品、マタニティ・ベビー用品、3Cデジタル機器(パソコン、通信機器、家電製品)、食品、アパレルのほか、越境ECも含めた総合ECプラットフォームとなった。直営店とプラットフォームの両方を備えたECモデルを作り上げるという美団電商の野心はなかなかのものだ。
しかし美団電商はトップクラスのECプラットフォームからはまだ後れを取っている。また美団電商のビジネスモデルは他のプラットフォームと大した違いはなく、いかに差別化するかが極めて重要だ。日本円にして数十兆円規模のEC市場に、後発組の美団電商が食い込むチャンスはまだ残されている。
(翻訳:36kr編集部)
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