コア事業以外に課題、変化を迎えるアリババ

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1月30日、アリババが2019年第3四半期(2018年10~12月)決算を発表した。売上高は前年同期比41%増の1172億7800万元(約1兆9000億円)、純利益は前年同期比37%増の330億5200万元(約5380億円)となった。

ダークホースだった「拼多多(Pinduoduo)」のようなライバルの攻撃を受けてはいるが、アリババのEC事業は全く弱みを見せていない。決算報告によれば、主要EC事業のEBITDAマージンは45%と好調で、アリババグループ全体のEBITDAマージンを前四半期の27%から31%に引き上げた。

アリババ事業2018年9~12月営業利益と赤字状況

決算発表後、ニューヨーク株式市場でアリババグループの株は6.34%上昇し、ここ半年で一番の上げ幅となった。

対照的なのが、その他事業だ。2018年は大部分がふるわなかった。アリババクラウド、エンターテインメント事業の「阿里巴巴文化娯楽(Alibaba Digital Media & Entertainment Group)」、フードデリバリー「餓了麼(Ele.me)」、物流プラットフォーム「菜鳥網絡(CAINIAO NETWORK)」、および海外小売事業だ。

この2年間、アリババは新小売(ニューリテール)を大規模に展開するなかで、高コスト低利益率だが顧客獲得にはメリットがある事業に巨額の資本を投入、あるいは買収してきた。次世代スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」、大型スーパー「大潤発(RT-MART)」、百貨店チェーン「銀泰百貨(Intime Retail)」、餓了麼(Ele.me)などだ。このためアリババの利益率は数%低下したものの、EC以外の市場で新規顧客を獲得するのに役立った。

アリババの核心、Eコマース事業

「タオバオ(淘宝)」、「天猫(Tmall)」を含む主要EC事業はアリババグループで主要な役割を演じており、さらに勢いを増している。手数料収入の伸びは減速して24%増にとどまったものの、EC事業の重要な収入源である広告収入は28%増で市場の予測を上回った。

アリババ2018年第4四半期事業構成と前年同期比

この二つの収入は、マクロ経済が弱含みである時期にアリババの安定した成長を支えている。

主要EC事業の収入は今季1028億4300万元(約1兆6700億元)にのぼる。グループ全体の総収入の88%を占めており、割合としては高水準を保っている。アリババCFO武衛氏は、EC事業の収益と今季75億ドル(約8246億円)に上ったフリー・キャッシュフロー(FCF)のおかげで、他の重点事業と技術に引き続き投資でき、アリババのエコシステムの成長を後押しできると考えている。

将来的にも主要EC事業への依存度が高くなる一方であることは明らかだ。

事業ごとに波がある現状

武衛氏によれば、餓了麼、東南アジアのECモール「Lazada」、新小売事業、菜鳥網絡の順に赤字額が大きいという。

アリババは餓了麼を完全に買収したのち、競合する「美団点評(Meituan-Dianping)」 とのディスカウント合戦に多額の資金をつぎ込み、巨額の赤字を招いた。地域密着型の生活サービス事業は競争が始まったばかりである。美団は今後も強力なライバルとなるだろう。

「Lazada」もあまり思わしくない。決算報告によれば「アリエクスプレス(AliExpress)」、Lazadaを含む海外小売事業の成長率は23%と連結決算以来最低値を記録した。Lazadaはアリババが2018年3月に30億ドル(約3300億円)を追加投資してからも、テンセントが投資した「Shopee」などに押されて、数カ国で市場シェアの一部を奪われるなど苦戦している。

しかし、最も憂慮されるのはエンターテインメント事業の阿里巴巴文化娯楽である。決算報告によればデジタルメディアエンターテインメント事業の成長率はグループで最低の20%に過ぎず、資金効率が非常に低いことは明らかである。2018年、アリババ傘下の動画共有サービス「優酷(Youku)」は、ライバルの「騰訊視頻(テンセント・ビデオ)」、「愛奇芸(iQIYI)」にますます差をつけられた。巨額の赤字や幹部の突然の交代、頻繁な方向性転換など、エンターテインメント事業はアリババグループの弱点になっているようだ。

アリババは今まさに戦略の見直しを余儀なくされている。数ある事業のプライオリティーを見直すことは、現段階で直面している課題だと言えるだろう。
(翻訳:山口幸子)

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