無人フォークリフト開発の「木蟻機器人」が資金調達、物流センターで活躍

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自動運転フォークリフトを手掛ける「木蟻機器人(Mooe Robot)」が、シリーズB+で約1億元(約19億円)を調達した。「辰韜資本(ESTAR CAPITAL)」、「藍馳創投(BlueRun Ventures)」などが出資した。木蟻機器人は2016年設立で、19年からは物流センターなどで運搬作業をする無人フォークリフトに特化している。

物流センターでの運搬作業は機械的な反復作業で密度が高く、作業環境が複雑だ。人件費の上昇に伴い、労働者の確保が難しく人員の流動性も高くなり、さらに従来のフォークリフトではスマート化のレベルが低く、作業者の管理や訓練も難しかった。

運送会社の物流センター

木蟻機器人はハード、ソフトの両方に強みがある。同社のフォークリフトは、物流センターで120万キロメートル以上安定走行してきた。さらにセンサー、制御システムなどの最適化により、コスト削減や運行効率向上を実現している。ソフトでは検知や予測能力が高い。

創業者である銭莫天CEOは、木蟻機器人のコアコンピタンスは作業シーンの理解と開拓にあるとして、「木蟻は大量、高密度、高頻度の運搬シーンに特化してきた。徳邦物流(DEPPON LOGISTICS)、韻達(Yunda)など物流、運送分野の大手企業の7割にサービスを提供している」と話す。

木蟻の作業指示システム

木蟻機器人は自動運転技術のアーキテクチャを採用しているため高速で複数台を運用でき、屋外の物流センターや市場などにも応用できる。スピードに関しては、業界平均の秒速1.5メートルに対し、秒速2.6メートルを実現した。3D SLAM(自己位置推定とマッピングの同時実行)により周囲環境に対する検知能力を高め、遠距離でも障害物を識別して避けるなどの意思決定をする。

複数台の運用では、自社開発の作業指示システムにより1カ所で100台の運用やマンマシン・インタラクションを実現している。このほか、倉庫管理システム(WMS)、輸送パレット情報、貨物のデータ化、さらには人件費の管理など倉庫のロケーション管理をデータ化して行っている。木蟻が大規模に無人フォークリフトを運用できるのは、自動運転の路車協調技術のアーキテクチャを応用しているためだ。

自動運転によるワンストップでのソリューション

銭氏は「作業指示システムには、二つの重要な数字指標がある。一つは、20台以上を作業させて同時に問題が発生した場合、全体のアーキテクチャを最適化すること。もう一つは、50台以上であれば作業指示システムを通してフォークリフトの予測能力を高めることだ」と考える。

今後について銭氏は「複数台を同時運用する仕分けシステムを改善して業務量を4倍以上に増やし、市場を開拓するほか、難易度のより高い屋外での自動運搬に対応する」と語った。

屋内作業から屋外まで、最も難しいのは検知能力だ。銭氏は「屋外の道路状況や環境は一層複雑で、スピードも上げて作業しなければならないため、より広範囲、高精度で検知をする必要がある」と話す。

農産品市場での無人フォークリフト運行図

同社製品はコールドチェーンや物流センター、農産品市場、卸売市場など屋外の複雑な環境でも使用されている。農産品市場などに対しては、プラットフォーム化したOSを構築し、人、フォークリフト、貨物の動きを調整している。銭氏は「屋外での運搬業務の市場規模は1兆元(約19兆円)クラスになるが人手が大きく不足しており、事業の成長余地は大きい」と語った。

(翻訳・36Kr Japan編集部)

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