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中国の家電量販大手「蘇寧易購集団(SUNING)」の張近東董事長は、2月12日の春節(旧正月)祝賀会の席上で、不動産大手の「大連万達集団(ワンダ・グループ)」傘下の万達百貨有限公司が手がける百貨店37店全てを買収すると表明した。
買収成立後、蘇寧はデジタル化など万達百貨のサプライチェーンを改良する。
蘇寧側は具体的な買収額を明らかにしていない。
蘇寧が万達と関係を結ぶのはこれが初めてではない。2018年2月に蘇寧はテンセント(騰訊)、不動産開発大手の「融創中国(Sunac China)」らと共同で、「大連万達商業地産(万達商業)」に340億元(約5600億円)を出資している。このうち、「蘇寧雲商集団(Suning Commerce)」は95億元(約1560億円)または相当額の香港ドルを出資し、万達商業の株式約3.91%を取得するとしていた。
蘇寧電器集団傘下の蘇寧雲商による万達商業への出資と、蘇寧易購による万達百貨買収は、いずれも実店舗の集客力とリソースを狙ったものだ。トラフィック獲得コスト(TAC)が上昇した昨今、巨大企業はオフラインの集客経路拡大に乗り出している。この場合、最も重要なのは優れた集客チャネルを見つけ出して独占することであり、この点で万達集団傘下の商業施設や百貨店はまさに理想的だ。
公開情報によると、万達百貨が全国に展開する37店は、ほとんどが1-2級都市のビジネスエリア(CBD)または中心部にあり、会員数は400万人を超える。また、商業施設の「万達広場(ワンダ・プラザ)」の年間集客数は延べ32億人近い。
今回の買収により、万達百貨にも新規出店の道が開けた。張董事長は蘇寧の2019年春季活動計画会で、2019年に1万5000店を新規出店すると表明した。
より多く、より安定した集客力を手にし、顧客獲得コストを引き下げるために、巨大企業はこぞってカバーする分野を増やし、オンラインとオフラインという2つの異なるチャネルをつなげようとしている。
競争は激しいものの、蘇寧がやはり規模の面で優勢だ。蘇寧は現時点で「蘇寧易購(Suning.com)」のほか、「蘇寧置業(Suning Real Estate)」、「蘇寧体育(Suning Sports)」、「蘇寧投資(Suning Investment)」、「蘇寧金融(Suning Financial Services)」も傘下に置く。さらに、EC企業にシフトする過程で、生活用品・雑貨などを扱う「蘇寧極物(JIWU)」、生鮮スーパー「蘇鮮生(Su Fresh)」、小売業向けクラウドサービス「蘇寧小売雲(Suning Retail Cloud)」など新業態も生み出している。
(翻訳・池田晃子)
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