ファーウェイがスマートテレビに進出か シャオミの強力ライバルに

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通信機器大手のファーウェイ(華為技術)が今年中にスマートテレビを発表する可能性が高いという。同社は最近業界関係者と頻繁に接触して、テレビの販売チャネル構築やマーケティング方法についてアドバイスを求めているとのことだ。

関係筋によれば、同社はまず今年4~5月頃を目途に、傘下の携帯電話ブランド「栄耀(honor)」から、今年後半には「華為(HUAWEI)」ブランドから、それぞれテレビを発売する計画だという。同社はテレビのブランドマーケティングにおいても、スマートフォンのように「HUAWEI」と「honor」のダブルブランド戦略を採用すると見られる。

同社はこの件についてコメントしていないが、テレビ進出については昨年から何度も噂されていた。力を入れているスマート家電の分野でテレビは重要な役割を担うからだ。

同社は、スマートホーム分野ではHiLink端末の一元管理アプリ「HUAWEI HiLink」を使用する独自のエコシステムを構築しており、すでにルーター、ウェアラブルデバイス、スピーカーなどを発表している。テレビは同社が手掛ける初めての大型家電製品だ。5GやIoTなどの高い技術力を生かして、テレビがIoTの一角を担うようになる可能性は非常に高い。

同社がテレビに進出すると、最も影響を受けるのはシャオミ(小米科技)だろう。

スマートフォンメーカーとして創業し、ここ数年はスマートホーム事業に力を入れているシャオミは、2019年は大型家電にフォーカスしている。シャオミにとって、ファーウェイは手強い挑戦者になりそうだ。

シャオミの 2018年第3四半期の決算報告によると、IoT関連と生活消費財の売上高が全体の21.2%を占めた。特に、同社のテレビ「Mi TV」の売り上げは前年同期比198.5%増となり、前3四半期で累計500万台以上を出荷した。

これまでシャオミのインターネットテレビにはほとんど競合相手が存在しなかったが、ファーウェイがテレビ分野に参入すれば状況は変わる。

シャオミはMIUI、ファーウェイはEMUIという独自のユーザーインターフェイスをそれぞれ持っており、両社は非常によく似たクローズドエコシステムを構築している。しかし、スマートホームへの入り口となるスマートフォンでは、昨年末時点でファーウェイが中国市場の27%を占めたのに対して、シャオミのシェアは12%だ。

一方、技術面では、シャオミはディスプレイパネルに強みを持つTCLと戦略的パートナーシップを結んでいる。ファーウェイは半導体技術には強いが、ディスプレイパネルについては今後強化していく必要がある。

またコンテンツ配信の面では、ファーウェイは2018年12月、衛星テレビ局「湖南衛視」と正式に提携した。さらに、ファーウェイのホームサーバー「honor cube」には、動画共有サイト「愛奇芸(iQIYI)」が大手ラジオ・テレビ2局と共同設立した「銀河互聯網電視(GITV)」がコンテンツを提供している。一方、シャオミのネットTV接続デバイス「Mi Box」にはテンセント系の「騰訊視頻(Tencent Video)」がラインアップされている。両社はコンテンツの分野でも激しく競いそうだ。
(翻訳・神江乃緒)

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