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AR(拡張現実)およびVR(仮想現実)用光モジュールの研究開発および量産を手掛ける「恵牛科技(Huynew Technology)」が、シリーズA+で数千万元(数億円)を調達した。「北京倉廪投資(GRANARY CAPITAL)」とシンガポールのファンド「ZELOS MEGATRENDS」が出資した。
恵牛は2017年設立で、世界で初めてAR用同軸型(Co-Axis)光モジュールを発売し、VR用ではフレア(映像が白くぼやけたり円の白い斑点が現れたりする現象)を低減した折り畳み式超薄型の光モジュールを扱う。
AR用の同軸型光モジュールを改善、消費者向けARグラスの出荷増に貢献
同軸型光モジュールは過去5年間恵牛のAR分野での主力製品で、先行優位のある同社は約50件の関連特許を保有する。アレイ導波路や回折導波路といった平面導波路に比べ、同軸型光モジュールは広い視野角(FOV)、高画質、低価格、量産可能という特徴がある。
恵牛の同軸型光モジュールには光の屈折の調節、グラスの外側に使用者が見ている画面が映らない(プライバシー保護)、落としても壊れにくい、くもり止め効果などの特性があり、総合的な性能の高さから多くの有名ブランドが採用している。
恵牛は、18年初めから続々と同軸型光モジュールを発売した。顧客は文化、旅行、映画鑑賞、エンタテインメント、弱視者支援、遠隔業務支援などさまざまなシーンでARを活用する。20年初めから開発を始めた新製品は、中国初かつ現在販売されている唯一の近視向けで光の屈折を調節できるAR用光ディスプレイモジュールだ。近視のユーザーは眼鏡をかけなくても画面をはっきり見ることができ、ユーザー体験が大きく向上した。恵牛は関連の特許をすでに取得している。同社によると、このモジュールによって有名ブランドの顧客の出荷台数が1万台レベルに達し、中国の消費者向けARグラスでは販売台数がトップレベルとなった。
このほか、市場で販売されている同類の同軸型光モジュールはARグラスの外側に使用者が見ている画面が映るという問題(下図左)があるが、恵牛の最新の同軸型光モジュールはこの問題を解決し(下図右)、グラス使用者のプライバシーを保護している。
VR用フレア低減薄型光モジュールを引き続き開発 生産能力も増強
VR用光モジュールではフレア低減や量産の技術を向上させている。超短焦点の新製品はフレアを約3%にまで低減させており、従来のフレネルレンズ相当に達している。フレア低減に関する特許は約20件になった。客観的なテストや主観的な体験によると、同類の製品に比べ恵牛のフレア低減モジュールの表示画面はノイズが少なく、よりはっきり見える。
恵牛は射出成形、コーティング、加工、組み立てなどすべての生産プロセスを自社で行う。新しく設置したクリーンルームの光モジュール生産ラインは近く稼働を開始し、月間の総生産台数は3万個になる。また同社は大口顧客の需要に対応し、近く生産能力を月産10万個以上に増強するという。
恵牛は3人の光学博士が設立した企業で、コアメンバーはファーウェイ、中国ディスプレイ製造大手「BOE(京東方科技集団)」、米スポーツカメラメーカー「GoPro」出身の専門家だ。同社が保有する特許は110件以上で、これまでに累計約1億元(約19億円)の資金を調達している。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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