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建設工事の管理プラットフォーム「築世科技」が、このほどエンジェルラウンドで「阿米巴資本(Ameba Capital)」から1000万元(約1億9000万円)以上を調達したと発表した。
中国住宅都市農村建設部は2020年7月、施工契約の履行と代金支払いに対する監督管理を強化し、工事の発注、請負企業が契約通りに代金支払いを履行するよう指導していく方針を発表した。請負業者は代金の回収が複数回になる上、代金支払い前には発注業者からの金額へのチェックが発生し、コスト管理やきめ細やかな管理が求められるようになった。従来は竣工後に決済が行われており、請負業者はコスト管理を主に経験に頼っていたが、規制に沿ったよりきめ細やかな対応が急務となっている。
築世科技は2020年末に設立され、民営の中堅建設業者向けSaaSプラットフォームを中心に運営する。プラットフォームでは予算、契約、財務、現場の進捗度、工事の品質、資料、機械・資材の仕入れ・入庫・販売の管理および中間金の支払い、コストの分析などが行える。
しかし、予算管理経験の標準化には2つの問題がある。一つは標準化の根拠だ。築世科技は施工量に基づき管理する。人の顔を識別するカメラ、スマートヘルメット、スマート秤、ブラックボックス、スマートコンセント、センサーなどを通して人、機械、資材のデータを収集、施工量を管理して工事の進捗度、品質や建材の使用あるいはロスの発生状況を理解し、工事の過程できめ細かな管理を実施する。また、建設業者が希望すれば材料価格の情報も取り込んで実際の費用を正確に計算することも可能だ。
次に標準化の方法だ。築世科技はデータマイニングとAIなどの技術を駆使して工事予算モデルを生成する。企業は過去の予算やコストの表をアップロードして施工過程の重要なデータ指標とし、自社の管理水準に適した予算モデルを生成することができる。あるいは、システムが内蔵する業界汎用の標準施工量計算モデルを選び工事の予算管理の標準モデルを生成することも可能だ。
こうしたモデルも優れているが、建設工事の全過程のデジタル管理では、すでに業界の大手企業などによる成熟したソリューションが存在する。スタートアップの築世科技にとっては工事管理のフレームワークをいかに速やかに実現し差別化を図るかが、企業の成長のカギとなる。これについて高春帆CEOは自信を示し、次のように話す。
きめ細やかな予算管理により企業は利益と工事の質を確保できるうえ、築世科技はデータマイニングの結果の活用を重視し、企業にデータ報告書を提供する。他社製品とは異なりユーザーは重要なデータを入力するだけでよく、簡単な操作で高い効果が得られる。市場戦略では中堅の建設業者をターゲットとしており、同業他社とはターゲット層が異なる。競争戦略では、業界で初めてデータマイニングとAIなどの技術を活用して工事予算モデルを生成した企業で、先発優位性がある。
築世科技の2021年度の売上高は300万元(約5700万円)で、今年度は1000万元(約1億9000万円)台になる見込みだ。販売モデルは2種類で、SaaSソフトウエアのサブスクリプション(定額課金)および現場でのIoT設備の据え付け、SaaSソフトウエアのサブスクリプションをベースとする有償のデータ受託管理サービスがある。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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