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国際物流SaaSプラットフォーム「海管家(YUNLSP)」がシリーズBで1億元(約20億円)を調達した。「eWTP生態基金(eWTP Capital)」がリード・インベスター、「長江国弘投資管理(GRAND YANGTZE CAPITAL)」と「匠一基金(THE SMITH ONE)」がコ・インベスター、「毅仁資本(Yiren Capital)」が単独でアドバイザーを務めた。海管家は2020年に連続してシリーズA1、A2を実施してそれぞれ数千万元(数億元)を調達している。
国連貿易開発会議(UNCTAD)のデータによると、2021年の世界の貿易額は約28兆5000億ドル(約3800兆円)で過去最高を更新し、新型コロナ感染拡大以前より約13%増加した。物流市場調査会社「Transport Intelligence」によると、海上貨物取扱市場は2021年に6.6%成長した。
新型コロナの影響で港湾の正常な運営が制限されているほか、船会社がDHL、DSVなどの大型物流会社と長期契約を締結する傾向にあり、中小のフォワーダー(海上貨物取扱事業者)はさまざま不確実性に直面している。
海管家創業者の金忠国氏は、国際物流でインターネットを活用することは、フォワーダーの不確実性の低減と業務効率の向上を実現する重要な方法とみる。海管家は主に情報の可視化、電子証憑の発送、フォワーダー向けOS、通関業務システム、集客、インスタントメッセンジャーといったプロダクトをSaaSで展開し、オンラインの通関申告や船積み予約などのサービスを提供している。
国際物流の可視化については、荷主、船舶代理店、フォワーダー、車両、船会社、税関などさまざまな関係業者や組織のほか、輸送費、船荷証券番号、船舶名、航海番号、船会社、出発港、到着港、荷送人、荷受人、貨物やコンテナ情報など物流の全ポイントを網羅している。海管家は創業当初から国際物流の車両、船舶、貨物、道路、港湾などの可視化追跡や警報などの情報照会サービスを提供してきた。同社のデータによると、このツールはデータの分析、統合および早期警報の機能を備え、照会時間を全体で90%短縮する。同社の可視化ツールは1万社以上で利用されている。可視化サービスで顧客やデータを蓄積した海管家は、SaaSプラットフォームでの業務を電子証憑の発送、オンライン通関申告などにも拡大した。
コスト削減と業務効率の向上については、金氏は電子証憑や通関、船積み予約を例に挙げ、中間業務を減らして手作業をシステムに代行させ、バックエンドのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)をエンドサプライヤーとつなぐことで明らかな効果を上げられると話す。例えば、電子証憑の発送でコストは40~90%減少し、発送時間は従来の半日~1日から15分以内に短縮した。オンライン通関申告のコストは50%節約した。概算では、同社のサービスを利用することで顧客が削減したコストは昨年1年間で数億元(数十億円)になった。
創業当初の可視化、照会機能から現在のシステムと業務ツール、さらにテンセントなどの企業と共同で国際物流専用のインスタントメッセンジャー「QQ」を開発するなど、同社はプロダクトを充実させている。金氏は、中小のフォワーダーにデータや情報のサービスをSaaSで提供するという方針は変わらないとしている。将来はさらにサプライチェーン、税率計算、危険品の検出、証票のチェック、船舶の航行スケジュールの照会などの機能でプロダクトを一層拡充させる計画だ。また、プロダクトの増加に伴いプロダクト間の融合も進め、OSでデータサービスを利用できるようにして顧客体験の改善を図っている。
同社の売上高は3年連続で倍増している。本社は蘇州にあり、将来は東南アジアや東アジアへの進出を計画している。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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