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ナスダックに上場している中国のオンライン旅行最大手「携程旅行網(シートリップ)」が2018年第4四半期と2018年通期決算を発表した。第4四半期の売上高は前年同期比22%増の76億元(約1260億円)で市場予想の71億8400万元(約1190億円)を上回った。通年の売上高は同16%増の310億元(約5150億円)だった。
同社の売上高を9四半期に遡って確認したところ、7四半期連続で成長が鈍化していたが、徐々に回復の兆しがみえてきた。
株式報酬費用、持分証券に対する投資の公正価値変化を除いた株主に帰属する純利益は2017年通期が40億元(約660億円)だったのに対し、18年は55億元(約910億円)だった。18年第4四半期の1ADS(米国預託株式)当たりの利益は0.13ドル(約14円)で、1ADS当たり損失0.02ドル(約2円)というアナリストの予想を上回った。また、同社株主に帰属する調整後純利益も5億1300万元(約85億円)となり、1億4400万元(約24億円)の純損失とした市場予想を上回った。
18年第4四半期の株主に帰属する純損益は12億元(約200億円)の赤字で、前年同期の純損失3億5000万元(約58億円)から赤字幅が拡大した。非GAAPベースでは5億1300万元(約85億円)の黒字だったが、前年同期の純利益7億5000万元(約124億円)からは減少した。
今期の決算報告書の中で、シートリップは中国向けブランド「Ctrip.com」の取引ユーザー数を初めて公表した。それによると18年は1億3500万人に達し、過去2年の複合年間成長率(CAGR)は25%だったという。
同社の18年通期の総取引額(旅行検索サイト「天巡(tianxun.com)」を除く)は前年比30%増の7250億元(約1兆2030億円)に達した。この数字は同業の米「Booking Holdings」や米「Expedia」を上回る。
同社は宿泊予約、交通機関のチケット手配、パッケージツアー、業務渡航の4部門に注力してきた。18年通期の各業績は次の通り。▽宿泊予約事業の売上高は前年比21%増の116億元(約1925億円)▽交通機関チケット手配事業の売上高は129億元(約2140億円)、うち18年第4四半期の売上高は前年同期比17%増の34億元(約560億円)▽パッケージツアー事業の売上高は前年比27%増の38億元(約630億円)▽業務渡航事業の売上高は前年比30%増の9億8100万元(約162億円)。
海外事業の売上高は全体の30~35%を占め、このうち海外ホテル予約と海外航空券手配(天巡を除く)事業の成長率は業界全体の3倍に達した。天巡の直接予約業務の18年第4四半期売上高は前年同期比200%以上の増収となった。
シートリップの共同創業者で執行董事長の梁建章氏は今後について、これまでに築いたものを土台とし、シェア拡大を進めるとともに、常に経営効率の改善に取り組む方針を示した。また、2019年第1四半期の売上高は前年同期比で約18~23%増加するとの見通しを示した。
(翻訳・池田晃子)
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