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2018年、中国のゲーミングスマートフォン市場に、小米(シャオミ)が出資した「南昌黒鯊科技(Black Shark)」の「Black Shark」、中興通訊(ZTE)傘下の「努比亜(Nubia)」の「Red Magic」、ASUSの「ROG Phone」という3つのブランドが登場した。ただ、出荷台数がせいぜい数千万台のゲーミングスマホでは巨大なスマホメーカーの大黒柱にはなれない。では、中国ゲーミングスマホ最大手Black Sharkは、今後どのような道を進むのだろうか。
今後の方向性について、Black Shark共同創業者兼高級副総裁の羅語周氏は、同社はスマホ市場でのシェア拡大よりもゲーム機メーカーとしての発展を目指しており、スマホは単なる入口にすぎないと語った。つまり、Black Sharkはファーウェイやシャオミではなく、ソニーや任天堂を目指すということだ。
現在、ゲーミングスマホには一定のファンがついているが、その定義はあいまいで、普通のスマホとの区別は、家庭用ゲーム機とPCほど明確なわけではない。羅氏は、ゲーミングスマホは今後ますますその特徴を発展させ、一般的なスマホとの差別化を図っていくと見ている。
1つ目の特徴はクールな外観で、個性的でありたい若者のニーズを満たすことができる点である。今では多くの人がスマホを2台所有しており、iPhoneを1台、ゲーミングスマホを1台持つゲーマーが多く存在する。市場の潜在的ニーズも高い。世界のスマホユーザーのうち半数以上がゲームを利用した経験があり、中国ではゲームの利用経験があるスマホユーザーは5億人で、そのうち2億人が1日1時間利用しているという。ゲーミングスマホは十分な市場規模が見込めるのだ。
2つ目の特徴はゲーム機能に特化し、あらゆる機能をバランスよく備える一般的なスマホとは一線を画す点である。例えば、ゲーミングスマホはスムーズなプレイを最優先するため、バッテリーの減りは早い。これはランボルギーニのようなスーパーカーが燃費よりカッコ良さを売りにするのと同じだ。羅氏によれば、ゲーミングスマホの理想的なサイズは7インチだという。これは一般的なサイズより大きく、先日発表したBlack Sharkの新モデルは6.39インチである。今後ゲーミングスマホの競争相手は恐らく一般的なスマホのフラグシップ機種ではなく、PS4やNintendo Switchになると羅氏は見ている。
Black Sharkは、3つの角度からゲーミングスマホの進化を計画している。1つ目は究極のゲーミング体験の実現である。2つ目は周辺機器の充実で、コントローラーを装着して携帯型ゲーム機のような操作が可能になる。3つ目は据置型ゲーム機としての機能の充実で、将来的には外部ディスプレイ出力機能を搭載し、テレビや大型ディスプレイに接続して楽しむことができるようになる。
こうすれば、1台のゲーミングスマホでスマホ、携帯型ゲーム機、据置型ゲーム機の機能が備えられる。これまで従来の携帯型ゲームの一部が全面タッチパネルのスマホでは再現不可能になり、コアゲーマーのニーズを満たせずにいた。
羅氏によれば、ゲーミングスマホ市場はまだ導入期だという。今年の中国の販売台数は1000万台を超えると予想している。NubiaやASUSとの競争について、「ゲーミングスマホ市場の先行きが明るいと思われている以上、業界全体で市場を盛り上げないといけない」と語った。Black Sharkの経営について、2018年はほとんど損失もなく、販売台数、売り上げ共に予想を上回った。これは創立1年のスマホメーカーとしては申し分ない成績である。創立以来、Black Sharkの研究開発費は6000万ドル(約66億円)にのぼったという。
Black Sharkは欧州で最新モデルの発表会も予定している。海外進出するのは初めてのことだが、欧州を選んだ理由は、消費水準が総じて高く、ミドルレンジ~ハイエンドのBlack Sharkが受け入れやすい市場であること。また、ユーザー、ゲーム会社共に成熟しており、良好な環境が整っていることが挙げられる。
(翻訳・桃紅柳緑)
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