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中国国家衛生健康委員会が2017年に公表した「第4次全国口腔健康流行病学調査」によると、中国の12歳児のうち34.5%に永久歯のむし歯があり、10年前と比べ7.8ポイント増加している。また、5歳児では70.9%に乳歯のむし歯があり、同5.8ポイント増加となった。
子どものむし歯のほとんどは喫食習慣や口腔内細菌の繁殖などが原因だ。正しく口腔内の清潔を保つことでむし歯を減らし、歯を守ることができる。保護者が子どもの口腔衛生に注意を払うようになってきたことから、児童向けオーラルケア市場は急速に拡大している。
米コンサルティング会社のフロスト&サリバンの予測では、2025年の子ども用オーラルケア関連商品の小売売上高は80億元(約1600億円)、普及率は43.8%になるという。このほど、デンタルケアブランド「舒客(Saky)」を展開する「薇美姿(WEIMEIZI)」や、歯磨きペースト「冷酸霊」を販売する「登康口腔(Dencare)」が目論見書を公表したが、両社とも子ども向け分野に力を入れている。
オーラルケア製品を開発する「牙高医療科技」が手掛ける「牙高医生」は、歯の表面で細菌が繁殖した歯垢(プラーク)を可視化する商品を主力とする子ども向けブランドだ。歯垢はむし歯や歯周病を引き起こす大きな危険因子であるため、プラークコントロールは口腔疾病予防の効果的な方法のひとつになる。歯を磨く時間を長くすれば歯垢をある程度は取り除くことができるが、子どもにそれを要求するのは難しい。
こうした子どもの歯磨きの問題に対応するため、牙高医生は歯垢を可視化する染色剤と歯磨きペーストを組み合わせ、子どもの歯垢を可視化する商品を作り出した。歯垢はほとんどが無色透明で肉眼で判別するのは大変難しいことから、口腔検査、歯のクリーニング、歯列矯正などでは通常、歯垢染色剤を使って歯の表面の歯垢の状況を確認している。
牙高医生の創業者である鄭強氏は、歯垢が可視化できれば子どもの歯のどこがきれいに磨かれていないかがわかり、磨く必要のある箇所を磨くことができるので、子どもに歯磨き習慣を身に着けさせ口腔疾病の予防に役立つとして、「これまでは子どもの歯がきちんと磨けているかどうか、保護者が判断する方法がなかったが、これで確認の基準ができた。歯の表面、歯の間のポケット、被せ物(クラウン)など全てで色がつかなくなれば大丈夫ということだ」と述べた。
牙高医生はハイエンド歯磨きペーストに使われる3種の顆粒を配合した含水シリカを研磨剤として採用した。口当たりがやさしくて一般の歯磨きペーストに使われている炭酸カルシウムのように歯を傷つけてしまうこともなく、優れた清浄作用がある。
同ブランドは主に、一線都市や二線都市で口腔衛生に対する意識の高い家庭の3歳から15歳までの子どもを対象にしている。現在は、イチゴ味の歯磨きペースト(60g入り)を59元(約1200円)で販売しており、3月の発売以来すでに2万本以上を売り上げている。一般の歯科診療所を中心に、100カ所以上と提携している。
創業者の鄭氏は遺伝子検査サービスの「微基因(WeGene)」の創業に関わり、共同創業者の高医師は第四軍医大学口腔医院の出身で、児童の口腔衛生に関わる業務に10年以上従事した経験を持つ。今後は歯磨きペーストの風味の種類を増やして子どもに受け入れられるようにするほか、むし歯のほか歯並びや噛み合わせの状態が良くない不正咬合など、子どもによくみられる口腔疾患の予防や矯正に関わる、歯磨きペースト、歯列矯正用ブリッジ、歯ブラシ、洗口液などの商品を開発し、医薬品に寄せた子ども向け口腔ケアブランドを作りたいとしている。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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